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4階級王者のカムバック戦が延期に

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 WBOスーパーフェザー、WBCライト、WBAウェルター、WBAスーパーライトの順に4階級を制した元王者、エイドリアン・ブローナーが、この25日に2年ぶりにカムバックする筈だった。

 しかし、対戦相手のマイケル・ウィリアムズ・ジュニアが、スパーリング中に顎を骨折。試合は延期と発表された。

 20勝(1KO)13敗のウィリアムズは、戦績が示すように咬ませ犬に他ならない。この23歳は、ブローナーの復帰戦を棄権する3人目となった。当初の対戦相手はイワン・レッドカッチ。それがハンク・ランディに変更され、更にマイケル・ウィリアムズ・ジュニア変わった後、立ち消えとなった。

 34勝(24KO)4敗1分のブローナーも今や33歳。峠を越えた感は否めない。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 マニー・パッキャオと戦い、0-3で判定負けしたのが2019年1月19日。当時のブローナーは3戦連続で白星を挙げられなかった。

 2021年2月20日のファイトにおけるブローナーは体重超過で、ゴング2日前に契約ウエイトの変更を認めてもらって試合を実現させる体たらく。しかも、対戦相手がゴング後にパンチを振るったとレフェリーが判断し、1ポイント有利に採点されながらの3-0判定勝ちだった。

 このところ冴えないブローナーがリングに固執するのは、稼いだ金を失ったからか。今後、どのようなキャリアを積むのか。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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