オートバイのあれこれ『最高200km/h!? 幻の原付レーサー』
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01772154/title-1716096733381.jpeg?exp=10800)
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今朝は『最高200km/h!? 幻の原付レーサー』をテーマにお話ししようと思います。
皆さんは、ヤマハがかつて50ccのファクトリーマシンを開発していたのをご存知でしょうか。
その名も『RF302』。
![▲RF302〈1969/画像引用元:ヤマハ発動機〉](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01772154/image-1716096742608.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
RF302は、ヤマハが1969年シーズンからWGP(世界グランプリ)の50ccクラスへ投入することを目標に開発したマシンです。
ただ、このRF302は結局、一度も実戦でスターティンググリッドに並ぶことはありませんでした。
というのも、1969年からWGPの車両規定が大きく改定されることになり、これを機にヤマハがファクトリーチームでのGP参戦を取り止めたからです。
RF302自体は69年からの新レギュレーションに則った仕様となっていましたが、その他のクラス(250ccや350cc等)のヤマハのマシンが69年シーズン以降使えなくなることがはっきりと分かり、ヤマハは68年シーズンをもってWGPからの完全撤退を決めたのでした。
これにより、RF302は69年シーズンに向け準備万端だったものの、最終的に一度も日の目を見ることなくお蔵入りとなってしまったというわけです。
テーマに入れた「幻の」というワードの意味がご理解いただけたでしょうか。
私は以前、このRF302の実車を見る機会があったのですが、その車両のスリムさに驚愕しました。
シートの幅が、なんと10〜15cmほどしかないのです。
![▲RF302のシート。手の平に収まるくらいの幅しかない](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01772154/image-1716096911145.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
成人男性は言うまでもなく、女性でもこのシート幅にお尻が収まりきることはないでしょう。
燃料タンクやタイヤも同様で、特にタイヤは「自転車用のタイヤ」と言われても違和感が無いくらいの細さとなっていました。
![▲タイヤの太さも、大げさでなく「ママチャリのタイヤ」みたい!](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01772154/image-1716097019112.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
50ccの単気筒エンジンは小さくフレームも狭く作れるので、空気抵抗削減のために極限まで車体のコンパクト化を図った結果、こういう車体になったのでしょう。
ちなみにRF302のパワーは17psで、トップスピードは170km/h以上とのこと。
いくらレーシングマシンとはいえ、50ccのエンジンで200km/h近いスピードが出るとは…恐ろしいですね。
車体もかなり軽いでしょうから、RF302で170km/hも出すと、一般ライダーのウデだと操りきれずにどこかへ飛んでいってしまいそうな気がします。
その車体のスリムさと、今から半世紀以上も前の時代に170km/hもの速度で走れる50ccのバイクがあったという事実に、二度ビックリさせられた私なのでした。
![▲幻のゼロハンレーサーだ!](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01772154/image-1716097076859.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)