篠原ともえさんから学ぶパーソナリティの心理学:大切なのは「性格モード」の転換:シノラーもいつでも
■篠原ともえさん、デビュー20周年:シノラーは「黒歴史じゃない!」
10代のころ、強烈なキャラクターで登場した篠原ともえさん。30代になった今、新たな魅力も発揮しています。
■篠原ともえさんの2つの性格側面
篠原ともえさんは、バラエティ番組でハチャメチャな言動をしていた10代の頃から、場をわきまえることができて、実はとても礼儀正しかったそうです。「シノラー」は演技だったとおっしゃってはいますが、パーソナリティの心理学から考察すれば、「シノラー」の面も全てが演技ではなく、また礼儀正しい面もただ外面を整えるだけではなく、両方とも彼女の性格の一面なのだと思います。
たとえば心理学の交流分析(エゴグラム)の用語で考えると、篠原さんは、ユーモアたっぷりの「自由な子供」の心を強く持ち、同時にきちんと冷静に判断できる「大人」の心も強く持っているのだと思います。
「人から言われて性格を変える必要はありません。ヘアスタイルと一緒です。良い悪いも、価値の高い低いもありません。ただ、好みはあるでしょう。また、その場にふさわしいヘアスタイルがあるように、その環境でうまくいきやすい性格はあるでしょう。」(交流分析(エゴグラム)から考えるあなたの性格:一番大切なことは自分の性格を嫌わないこと:Y!ニュース有料)
性格の二つの面を持ち、その状況に応じて、きちんと使い分けて必要な面を出せる、「性格モード」の転換ができるのが、篠原さんの優れた特質なのでしょう。
篠原ともえさんも、若いころはにぎやかな面を多く出し、最近はまた静かな面も出しているように思えます。しかし、若い頃のにぎやかな「シノラー」も否定せず、「虹色歴史」と語り、「オファーがあれば、今もできますよ」と言えるところが、すてきですね。
■篠原ともえさんの子供時代から
ウィキペディア等によると、篠原さんは、小さなころは小物やお人形作りが好きな、おとなしい少女だったようです。その後、バレエ、バンド活動、ソニー歌手オーデション合格など、人前での活動を積極的に始めています。
同時に、中学生ビデオコンクールコンテストで1位、高校3年の時は地域産業組合ポスターデザインのコンテストで全国1位など、多方面で活躍しています。さらに、高校時代は天文部で、大人になっても天文観察を続け、雑誌「天文ガイド」にも紹介されています。
小さなころから好きだった裁縫や服飾デザインへの関心はずっと持ち続け、服飾学科に進学します。
こくして、バラエティアイドル、歌手、女優、デザイナーと活躍の場を広げ、今回は、デビュー20周年を記念しての初の個展、『篠原ともえ&シノラー展』が開催されました。
小さなころからの活動を見ても、一人で知的にコツコツ行う活動と、人前にでて表現する活動と、両方を楽しんでいますね。基本は、真面目で、にぎやかに表現できる面も上手に使いこなせているようにも感じます。
■性格モード:性格は変わる変えられる
めちゃくちゃなシノラーとしてのノリの良さ、子どもの頃から裁縫が趣味、多方面で活躍し、いろいろなジャンルの人に誘われる。このように、篠原さんは多面的な「性格モード」を切り替て発揮できるのだと思います。
モードとは、様式です。戦闘モードとか、恋人モードとか、同じ人でも状況によって人は行動を変えます。時に攻撃的になり、時に甘え、時に静かになり、時に激しくなります。
たしかに、それぞれの人にはある行動パターンはあります。しかし、どんな時でも常に同じ行動をとる人はいないでしょう。大学の教室の中では、消極的でおとなしく見える学生が、バイト先の居酒屋では「いらっしゃいませ!」「はい、よろこんで!」と元気良く働いたりしています。
教室で見れば、消極的な性格に見えますし、バイト先では積極的な性格に見えます。これは、二重人格などではなく、人とはそういうものなのです。
「性格」は、状況によって変わります。もしも篠原さんが、バレエを習わず、バンド活動もしなかったら、その後の人生も変わっていたでしょう。「シノラーはファンが育ててくれた」ともおっしゃっていますが、よろこんでくれるファンがいてくれたことで、ますますその面の性格も成長していきます。
「性格はかわらない」と思うことによって、セルフイメージが変わらず、その結果性格も変わらないと感じるのです。
別の環境で別の行動をとれれば、新しい自分に出会えます。そうすれば、篠原ともえさんのように、必要に応じて性格モードを変えることができるでしょう。ただし、新しい自分も今までも自分も、嫌ってはいけません。肯定的に自分の性格を見ることができると、自分の性格の様々な面を活用できるようになるでしょう。あなたのどの性格面も、虹色歴史です。
自分の性格に悩む人は多いのですが、性格は固定的ではなく、必要に応じて「モードの転換」ができることこそが大切なのです。
■関連本・関連サイト
○サトウ タツヤ (著), 渡邊 芳之 (著)「「モード性格」論―心理学のかしこい使い方」