AAA未経験の20歳が開幕ロースター入り。チームメイトのヌートバーにも影響はあるのか
3月25日、ジョーダン・ウォーカー(セントルイス・カーディナルス)の開幕ロースター入りが決まった。KMOXスポーツのトム・アッカーマンらによると、編成責任者のジョン・モゼラックがそう語ったという。
ウォーカーは、2020年のドラフト全体21位だ。年齢は20歳。5月下旬に21歳の誕生日を迎える。プロ1年目の一昨年はAとA+、昨年はAAでプレーした。AAAとメジャーリーグの経験はなく、26人のアクティブ・ロースター入りの前提となる、40人ロースターにも入っていなかった。
ただ、昨年は、119試合で打率.306と出塁率.388、19本塁打と22盗塁、OPS.898を記録した。ドラフト順位もそうだが、評価は非常に高く、今年のプロスペクト・ランキングでは、ベースボール・アメリカとMLB.comの全体4位、ベースボール・プロスペクタスの全体2位に挙げられている。
ノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)として参加した、今春のスプリング・トレーニングでは、3月25日の試合を含め、打率.286(68打数19安打63打数18安打)と出塁率.308、3本塁打(と5二塁打)と2盗塁(失敗なし)。スタッツ以上に買われていることが窺える。
また、ウォーカーと22年前のアルバート・プーホルスとの相似については、今月上旬に「プーホルスの「再来」が現れ、ヌートバーは外野のポジションを奪われる!?」で書いたとおりだ。
昨年の夏、ウォーカーは、三塁手から外野手へ転向した。2021年から、カーディナルスでは、ノーラン・アレナードが三塁を定位置としている。2013年のメジャーデビュー以降、ゴールドグラブを逃したシーズンはなく、8年2億6000万ドルの契約は折り返し地点を迎えたところ。年齢は来月で32歳だ。
一方、外野も空いてはいない。タイラー・オニール、ディラン・カールソン、ラーズ・ヌートバーに、アレック・バールソンがいて、テイラー・モッターも内外野を守る。モッターを内野の控えとしても、ウォーカーを含めて外野手は5人となる。
現時点では、オニールがセンターを守り、その両隣はヌートバーとカールソンが有力だと思われる。バールソンは控え、ウォーカーはDHだろう。昨年、カーディナルスでDH出場が最も多かったプーホルスは、シーズン終了後にユニフォームを脱いだ。
もっとも、これで固定ということではない。
昨年のシーズン序盤にメジャーデビューした2人のうち、ブレンダン・ドノバンが二塁に定着すると、ノーラン・ゴーマンはポジションがなくなる。昨年、ゴーマンは、AAAとメジャーリーグで計30本のホームランを打った。AAAの43試合で16本とメジャーリーグの89試合で14本だ。
例えば、DHがゴーマン、ライトがウォーカー、レフトはヌートバーとカールソンのどちらか、ということも起こり得る。
フレキシブル、あるいは流動的な起用のなか、結果を残せない選手はマイナーリーグへ降格させられるのではないだろうか。ウォーカーだけでなく、他の外野手たちや、モッター、ドノバン、ゴーマンも、マイナーリーグ・オプションは残っている。