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【四條畷市】風を背に 世界へ羽ばたけ 子どもたち──四條畷神社・七五三詣りで「碁盤の儀」

具志堅浩二フリーライター(四條畷市・交野市)

 四條畷神社では今年から、七五三祈祷の一環として「碁盤の儀」なる儀式を行えるようになったそうです。どういう儀式なのか、取材しました。

神社の鳥居前に掲げられていたのぼり
神社の鳥居前に掲げられていたのぼり

神社の階段をのぼり切ったら左に曲がります
神社の階段をのぼり切ったら左に曲がります

 四條畷神社の石段をのぼり切って左に曲がり、社務所の前を通り過ぎて境内に入ると、向かって左側に碁盤があり、そのさらに左側にある門が開いているのが見えました。

碁盤と門の向こうに広がる外の光景
碁盤と門の向こうに広がる外の光景

 近づいてみると、門の向こうに見えるのは、ふもとの街と遠くの山々、そして青い空と白い雲です。いつもは閉じられている門の向こう側に、こんな爽快な光景があるなんて知りませんでした。

碁盤に上がるための踏み台と碁盤。着地用のマットもあります
碁盤に上がるための踏み台と碁盤。着地用のマットもあります

 「飯盛山から吹きおろす『飯盛おろし』の風に乗って、勢いよく世界に羽ばたいてほしいという思いを込めて、ここに碁盤を置くことにしました」と教えてくれるのは、四條畷神社の大橋弘邦宮司です。

碁盤の横に設置された説明書き
碁盤の横に設置された説明書き

 「碁盤の儀」は、碁盤の上を世界と見立てて、そこから飛び降りる子どもの健やかな成長と立身出世を願う儀式です。碁盤を使うのは、碁盤の目のように筋目正しく心身ともに健康に育つ、自立した大人に成長する、運を自ら切り開く、といった意味があります。

碁盤の上を世界と見立てて、子どもの健やかな成長と立身出世を願う「碁盤の儀」
碁盤の上を世界と見立てて、子どもの健やかな成長と立身出世を願う「碁盤の儀」

 四條畷神社では従来から本殿で七五三の祈願を行っています。祈祷料は子ども1人につき5千円。「碁盤の儀」は、追加の祈祷料なしで行えるとのことです。取材に訪れた10月28日午前も、七五三の祈祷に訪れたと見られる子ども連れの人々の姿がありました。そのなかで、奈良市からやってきたというご家族にお願いして、3歳のお子さんに写真のモデルになってもらいました。ご協力ありがとうございました。

碁盤は12月初旬まで設置する予定とのこと
碁盤は12月初旬まで設置する予定とのこと

 飛び降りる先の地面に敷いてあるマットには、すでにいくつもの足跡がついてました。七五三詣りに訪れた多くの子どもたちが健やかに育ち、門の向こうにある広い世界に羽ばたくことを願っています。

四條畷神社
所在地:大阪府四條畷市南野2-18-1

フリーライター(四條畷市・交野市)

1968年大阪府生まれ。バス・タクシー業界紙、電機業界誌の記者などを経て、2015年に独立。現在は、ヤフーニュースオリジナルTHE PAGEや週刊エコノミストなどで、環境問題、食料安全保障、公共交通から街ネタを含めて幅広いジャンルの記事を取材・執筆中。Yahoo!ニュース エキスパートでは、「地域とそこに住む人が好きになる」記事を追い求めて頑張ります!

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