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「出会いの場」に招きたい人、招きたくない人

大宮冬洋フリーライター

出会いは漫然と待っていて訪れるものではない

「お互いを条件で見るような婚活には気が進みません。でも、友だちは増やしたいしパートナーが欲しい。普段の生活に出会いはありません。どこに行けばいいのでしょうか」

 筆者は独身の男女に恋愛や結婚に関するインタビューをする機会が多く、その相手から逆に問いかけられることが少なくない。「いい人がいたら紹介してほしい」と率直に頼まれることもある。

 出会いは漫然と待っていて訪れるものではないと思う。一番の近道は、自分で「場」を作ることだ。

 大人数でのパーティーを企画する必要はない。ささやかな場でいいのだ。例えば、久しく会っていない友人に連絡を取り、その配偶者も含めての食事会を提案する。友人が遠方に住んでいる場合は、旅行がてらに遊びに行ってもいい。再会を楽しむ中でパートナーが欲しいことを伝えれば、次の機会に誰かと引き合わせてくれるかもしれない。

 一方で、出会いの場に招かれやすい人になるという道もある。この道に関して筆者は専門家だと自負している。筆者自身が「招かれやすい人」なのではない。先日100回目を迎えた読者交流飲み会「スナック大宮」をはじめとして、週1ペースで様々な集まり(友人を招いての家飲みを含む)を主催しているので、招く側の事情と心理を熟知しているからだ。

(1)参加するかしないかの判断と返信が早い人

 人を集めるにはお店を予約したり食材を準備したりするなどの準備が必要だ。場合によっては男女比を調整することもある。そのため、参加人数と顔ぶれはできるだけ早めに把握しておきたい。

 個別に誘っているのに返信が遅い人には困ってしまう。参加表明をしないうちから「他に誰が来るんですか?」という問いかけも主催者に失礼だと思う。即断できない人は主催者への誠意も信頼もないと見なされ、次回から誘われにくくなるだろう。

 不参加の連絡やキャンセルをする際には、できるだけ具体的な理由を示し、キャンセルの場合はお詫びを伝え、「次回はぜひ参加させてください」と付け加えよう。なお、「この人が企画する集まりにはあまり参加したくない」と思うのであれば、丁寧だけどそっけない返信をすればよい。

(2)会費に関してケチなことを言わない人

 20代の頃に学生時代の同窓会を企画したときの出来事を今でも覚えている。大幅に遅れて来た先輩から「途中参加なのだから参加費を割引してくれ」と要求されたのだ。何を言われているのか一瞬わからなかった。その後、その先輩を会合に誘ったことはない。

 ちゃんとした大人であれば、遅刻のお詫びをして、きちんと参加費を払うものだ。「会費は足りてる? 少し多めに出すよ」といった気遣いの言葉があれば、先輩の株は逆に上昇したことだろう。

 大人の集まりには多少のカネやモノは不可欠だ。割り勘であっても小銭分ぐらいは自分が多めに負担する余裕を持ちたい。友人宅での家飲みでも、相手が喜んでくれるような手土産を選ぶのが常識である。

 節約モードのときは、参加する集まりを絞り込めばよい。あまり気乗りしない飲み会でケチケチして周囲から疎まれるぐらいであれば、自宅で静かに本でも読んでいたほうが充実した時間を過ごせる。そして、外に出て人と会うときには気持ち良くお金を使いたい。このメリハリができる人は「招かれやすい人」だ。

(3)口下手でもいいのでニコニコと朗らかな人

 自分は口下手で人見知りだからという理由で出会いの場への参加を躊躇する人は少なくない。しかし、初対面の人に対して「人見知り」しないほうがむしろ気持ち悪い。調子よくペラペラと話す人に限って中身が薄かったり空気を読めなかったりする。

 口下手で構わない。ただし、表情はできるだけにこやかさを保つことを勧めたい。場の空気が良くなるし、幹事や周囲の客はその人に話しかけやすい。むっつりした表情で黙っておきながら、「誰も気を遣ってくれないのでつまらなかった」と後から嘆くのはコドモのやることだ。

 幹事というのは常に「みんな楽しんでくれているだろうか」と不安なものだ。そんなときに朗らかな表情の参加者をみるとホッと安心する。「この人には次の集まりにも来てほしい」と思う。

 最後に、すごく簡単な裏ワザを紹介したい。それは、参加する前もしくは後に心のこもったメッセージを幹事に送ること。手紙が面倒ならばメールやSNSで十分だ。参加する前であれば、以前にその幹事と会ったときの思い出に触れつつ今回招いてもらったことへの感謝の気持ちを伝える。参加後の場合は、そのイベントや飲み会について前向きな感想とお礼を述べる。その文面を読むとき、幹事はしみじみとした喜びと励ましを感じる。

 以上のポイントにピンと来ない場合は、近いうちに自分で飲み会を主催してみよう。すると、どんな人に声をかけようと思うのかを肌身にしみてわかるはずだ。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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