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10代-20代が選ぶ次期代表はだれか?【立憲民主党代表選】

室橋祐貴日本若者協議会代表理事
立憲民主党代表選 U30模擬投票結果より(日本若者協議会)

9月23日に投開票が行われる立憲民主党の代表選挙。

先日、日本若者協議会では、若者政策に関する立候補者アンケートを行い、回答結果を紹介した。

立憲民主党代表選候補者の若者政策に対する考えは?独自アンケート結果(室橋祐貴)

同時に、日本若者協議会では、U30模擬投票を行った。結果を集計したため、紹介したい。

詳細→ https://youthconference.jp/wp/wp-content/uploads/2024/09/56eaeb0f7f052ee780e34df817b791ab.pdf

模擬投票の概要
この模擬投票は、日本若者協議会のHPやSNS上で回答を募集したWebアンケートです。調査対象は、10代・20代の若者で、実施期間は9月16日(月)〜20日(金)です。
・調査方法 Web調査(日本若者協議会ホームページやSNS上で回答を募集)
・調査対象 10代・20代の学生や社会人
・調査期間 9月16日(月)〜20日(金)
・回収数 70回答(10歳〜29歳)
https://youthconference.jp/archives/8023/

立憲民主党の代表に期待したいことは?

まず、立憲民主党の代表に期待することとしては、与党と良い緊張関係まで持っていくこと、政権交代をすることが挙がった。

・現状,与党を任せたい,任せられるとまでは感じられていない.まずは野党第一党として与党に良い緊張感を与えられる党を築いていってほしい.(23歳・男性・大学生)
・野党第一党として、政権交代をしてくれること(17歳・男性・高校生)
・全ての人が誇りを持って生きられる社会をつくること。政権交代を成し遂げ、立憲民主党を中心とした政権を実現すること。(16歳・女性・高校生)
・経済対策 政治とカネの問題の解決(17歳・男性・高校生)
・子育て世代の負担軽減、教育格差の解消、ジェンダー平等の実現(26歳・女性・社会人)
・与党を奪還できるように実効性のある政策立案と、具体的なマニフェストを期待しています。(22歳・男性・大学生)

投票したい先は?

次に、投票したい先としては、唯一の女性候補である吉田はるみ氏に票が集まった。

立憲民主党代表選 U30模擬投票結果より(日本若者協議会)
立憲民主党代表選 U30模擬投票結果より(日本若者協議会)

回答者を男性に限ると、やや比率は落ちたが、それでも一位は吉田はるみ氏となった。

立憲民主党代表選 U30模擬投票結果より(日本若者協議会)
立憲民主党代表選 U30模擬投票結果より(日本若者協議会)

立憲民主党代表選 U30模擬投票結果より(日本若者協議会)
立憲民主党代表選 U30模擬投票結果より(日本若者協議会)

各候補者の支持理由は?

各候補者の支持理由は、それぞれ特徴が出ており、興味深いものになっている。

投票した理由(自由記述)から見ていきたい。

野田佳彦氏

・総理大臣経験者であるため(17歳・男性・高校生)

・確かに彼は老いているかもしれないし、若手に比べれば活躍の場は限られているかもしれない。しかし、それでも彼は40年近く、駅頭に毎朝立ち続けている。彼が始めて議員会館に登院したとき、私は生まれてすらいなかった。彼が始めて首相になった時、私は小学生だった。そしていま、彼は代表選挙の候補者になり、私は大学生になった。彼はまだ、駅頭にいる。投票する理由にはそれで十分である。(19歳・大学生)

・与党の揚げ足を取ろうとするのではなく政策について真正面から戦う姿勢が見受けられるから。(17歳・男性・高校生)

・比較的現実性の高い政策を掲げており、与党の運営実績も持っているため。個人的にはエネルギー問題についての視点を重視。(29歳・男性・社会人)

・安倍元総理への追悼演説により、個人的な印象がいいため。(17歳・男性・高校生)

・「月1で駅前にいるスーツのおじさん」として認識していた船橋市民でした。高校の制服を着ている私にも声をかけ、かわらばんを渡してくれたことをよく覚えています。18歳選挙権が始まってからはどの政治家も声をかけてきましたが、それ以前に声をかけてくれたのは、野田さんだけです。ぜひ千葉県を一緒に盛り上げたいです!別の選挙区になってしまいましたが、応援しています。たまには4区の方にもいらっしゃってください(25歳・女性・大学院生)

・野田候補は、毎朝駅前でビラ配りを行うなど、小さなことでも着実に行い、結果的には実を結ぶ人物だと考えているからです。全国の国政などの選挙後の候補者を見ていると、翌朝に挨拶をする候補は散見されますが、その後も表立った街頭立ちを行っている候補はほとんどいないように思われます。その点に関しても、野田候補は小さなことでも着実に行い、国政を担ったとしても、小さな声に着目し、解決に導いてくれるのではないかと考えました。また、野田候補は立憲民主党の候補の中でも、唯一の首相経験者ということもあります。野田候補はたしかに、1次政権では行わないとしてきた、消費税増税に踏み切るなど、マニュフェスト違反も見られたと感じています。しかし、その経験があるからこそ、現実的かつ画期的なマニュフェストを提示し、それに伴った着実な政権運営を行ってくださると信じています。日本は、過去の失敗から立ち上がろうとする、再チャレンジをしようとする人を応援していくべきだと考えています。その点からも、野田候補が適任だと考えています。(22歳・男性・大学生)

枝野幸男氏

・アンケートへの回答がどれも具体的によく考えられていて秀逸だった.
泉さんは模範解答という印象.内容自体は悪くはないが枝野さんの回答と見比べると劣っていると感じた.
吉田さんの「日本は遅れている」というような回答に表れている「遅れているからやらなければならない」という考え方からあまり良い印象を得られなかった.また,言っていることは派手で理想ではあるけれど,現実とのギャップを考慮できていないような印象を持った.インパクトの強い,耳触りの良い回答を用意するのではなく,現実に即して真剣に考えていくように今後に期待したい.
野田さんは選挙運動への姿勢であったり,安倍元首相への追悼の言葉であったり印象は良いのだが,アンケートへの回答内容の的確さから枝野さんがリードする形となった.(23歳・男性・大学生)

・自分のポリシー(現実的社会民主主義)に最も近いと感じるし、代表選の政策では選挙制度改革や社会保障強化、日米関係対等化などにもしっかり言及しているから。(17歳・男性・高校生)

・ヒューマンエコノミクスをはじめとする枝野候補の政策に共感したため(15歳・男性・中学生)

・どの課題に関しても、一定量の知識を持っていること、また、簡素な回答ではなく丁寧に理由を説明しているところから、党の代表となった際もこれらを活かして、政治をしてくれそうだから。また、発言量の少ない党員よりも、発言量のある党員の方が、いい意味でも悪い意味でもボロが出やすく、常に情報開示がクリーンな気がするから。ただ、日本の大きな課題である、発電方法に関しては、やや勉強不足に感じるため、今以上に学んでほしいと考える。
ここ数年テレビのニュースを見ておらず、また、3カ月間は新聞やネットニュースを見ていないため、日本若者協議会の独自のアンケートの返答内容を読んだだけでの回答になり申し訳ありません。(19歳・女性・大学生)

・枝野氏は立憲元党首としての実績があり信頼できるから。否定するようで悪いが野田氏は安倍氏らに煽られそれに乗っかって解散するという暴挙にでてしまったため論外。吉田氏は言っていることが何度か変わっているため信頼に欠ける。泉氏は今の党首としての実績がほとんどないためならなくていいと思う。(17歳・男性・高校生)

泉健太氏

・これまで3年間の実績、バランス感覚(27・男性・社会人)

・これまでの3年間で党を成長させた実績があるから。野党連携への考え方が自分と似ているから。50歳と政界では若く、一方で経験も十分だと考えるから。(16歳・女性・高校生)

・若く実績のある人に代表になってもらい、政権を奪取してほしいため(16歳・男性・高校生)

・実務面では野党との連携をとりつつ、将来的なビジョンを一番具体的に描いているため。(17歳・男性・高校生)

・なにより現職として3年間の実績、枝野代表時代よりも立憲の印象がよくなったと個人的には思う。立憲がまとまって、新たな与党を目指すなら元総理でも、創設者の元官房長官でもなく新たな時代を担う若手中堅のエース的存在である泉さんが再選されることこそが一番だと思った。(17歳・男性・高校生)

吉田はるみ氏

・刷新感のある若手で女性の視点も兼ね備えているから、党のなかでもリベラルな政策を多く掲げている人だから(21・男性・大学生)

・唯一の女性候補としてジェンダー平等への期待、消費税減税、教育無償化を重視、若そうでイメージが良い、ベテラン政治家には無い親近感がある(18歳・男性・高校生)

・現時点で、一番「立憲民主党」らしい主張をしているから(18歳・男性・高校生)

・教育に関する政策が具体的で、共感する内容が多いから。(23歳・男性・大学生)

・女性だから(20歳・女性・社会人)

・消費税の食料品非課税や教育福祉分野への投資を重視する姿勢、原発を含めた既存のエネルギー政策への厳しい姿勢に共感した(26歳・男性・社会人)

・江田憲司衆院議員激推し、唯一の女性候補(22歳・男性・大学生)

日本若者協議会代表理事

1988年、神奈川県生まれ。若者の声を政治に反映させる「日本若者協議会」代表理事。慶應義塾大学経済学部卒。同大政策・メディア研究科中退。大学在学中からITスタートアップ立ち上げ、BUSINESS INSIDER JAPANで記者、大学院で研究等に従事。専門・関心領域は政策決定過程、民主主義、デジタルガバメント、社会保障、労働政策、若者の政治参画など。文部科学省「高等教育の修学支援新制度在り方検討会議」委員。著書に『子ども若者抑圧社会・日本 社会を変える民主主義とは何か』(光文社新書)など。 yukimurohashi0@gmail.com

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