SM-3ブロック1Bが4連続で弾道ミサイル迎撃試験に成功
9月18日、アメリカ海軍はハワイ沖でイージス弾道ミサイル防衛システムの迎撃試験FTM-21を成功させました。イージス巡洋艦「レイク・エリー」が迎撃ミサイルSM-3ブロック1Bを発射して短距離弾道ミサイル標的を撃墜しています。今回の試験では1発の標的ミサイルに対し2発の迎撃ミサイルを斉射し誘導するもので、SM-3では初めての試みです。
- レイセオン公式YouTubeアカウントよりFTM-21実験の様子
単一目標へ2発の迎撃ミサイルを発射する事は目標撃破率を高め、地上に配備するPAC3迎撃ミサイルでは基本的な運用方法ですが、これは実戦では柔軟に運用されるもので、迎撃ミサイルの予備が少ない場合など状況に応じて単一目標に1発のみ発射する場合も有り得ます。SM-3は数が揃っていないので、基本的な運用から単一目標に1発のみ発射となっていますが、状況次第で今回の実験のように2発の発射も行います。2発以上も可能であると推定出来ます。湾岸戦争でPAC2は平均して単一目標に3発以上の迎撃ミサイルを発射していました。
SM-3ブロック1BはSM-3ブロック1Aの改良型で、ミサイルの大きさは同じですが赤外線センサーが二色化されて囮識別能力が飛躍的に高まりました。この新たな迎撃ミサイルはこれまで5回実験が行われています。
第1回目(2011/09/11) 失敗
第2回目(2012/05/09) 成功
第3回目(2012/06/26) 成功
第4回目(2013/05/15) 成功
第5回目(2013/09/18) 成功
最初の試験こそ失敗しましたが、前回の成功で量産化にGoサインが出され、計画は順調に進んでいます。