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「シーズン盗塁」の球団記録を持つ選手。周東佑京の50盗塁は球団トップ10にランクインせず

宇根夏樹ベースボール・ライター
赤星憲広 AUGUST 14, 2000(写真:築田純/アフロスポーツ)

 今シーズン、福岡ソフトバンクホークスの周東佑京は、両リーグ最多の50盗塁を記録した。シーズン50盗塁以上は、周東が延べ80人目だ。2016年にそれぞれ53盗塁の金子侑司(埼玉西武ライオンズ)と糸井嘉男(当時オリックス・バファローズ/現・阪神タイガース)を最後に、2017~19年は途絶えていた。

 ただ、周東の50盗塁は、球団の歴代トップ10に入らない。福岡ソフトバンクには、南海ホークス時代の1950年に78盗塁の木塚忠助を筆頭に、シーズン50盗塁を超えた選手が延べ14人いる。従って、周東は15位タイだ。いずれも南海時代の、広瀬叔功(1962年)と藤原満(1976年)に並ぶ。ちなみに、福岡へ移転後(1989年~)に限ると、周東の50盗塁は4位。2011年に60盗塁の本多雄一が最も多く、2位もその前年に59盗塁の本多。3位には、福岡ダイエーホークス時代の1996年に58盗塁の村松有人が位置する。

 各球団のシーズン盗塁トップ3は、以下のとおり。オリックスと阪神の2球団は1~3位を同じ選手が占めるので、フィルターをかけ、それぞれ福本豊赤星憲広を除いた上位3人もリストアップした。そのうち、河野旭輝(1956年)の85盗塁は、プロ野球全体の歴代4位だ。また、58盗塁で広島東洋カープの歴代3位に位置する金山次郎(1953年)は、松竹ロビンス時代の1950年と1952年に、74盗塁と63盗塁を記録している。これは、松竹の歴代最多と2位だ。

筆者作成
筆者作成

 今シーズン、周東以外に30盗塁以上を記録した2人のうち、西川遥輝(北海道日本ハムファイターズ)の42盗塁は球団6位タイ、近本光司(阪神)の31盗塁は球団16位タイに位置する。北海道日本ハムの歴代4位と5位は、どちらも西川だ。2018年に44盗塁、2014年に43盗塁を記録した。近本は昨シーズンの36盗塁もトップ10圏外の11位だが、阪神の選手によるシーズン30盗塁以上は、2009年に31盗塁の赤星以来。2010~18年は、25盗塁以上も皆無だった。

 なお、ここ10年(2011~20年)におけるパ・リーグ各球団のシーズン最多記録を持つのは、福岡ソフトバンクが60盗塁の本多(2011年)、東北楽天ゴールデンイーグルスが54盗塁の聖澤諒(2012年)、埼玉西武が53盗塁の金子(2016年)、オリックスが53盗塁の糸井(2016年)、北海道日本ハムが47盗塁の陽岱鋼(2013年/現・読売ジャイアンツ)、千葉ロッテマリーンズは41盗塁の岡田幸文(2011年)。セ・リーグは、横浜DeNAベイスターズが39盗塁の梶谷隆幸(2014年)、阪神が36盗塁の近本(2019年)、広島東洋が35盗塁の田中広輔(2017年)、東京ヤクルトスワローズが34盗塁の山田哲人(2015年)、中日ドラゴンズが32盗塁の大島洋平(2012年)、読売は28盗塁の藤村大介(2011年)だ。

 今シーズンの周東の盗塁成功率については、先月、こちらで書いた。

周東佑京の盗塁成功率89.3%は、シーズン50盗塁以上の80人中何位!?

 通算盗塁の球団記録を持つ選手は、こちら。

通算盗塁の球団記録を塗り替えるのは誰? 最短距離にいるのは東京ヤクルトの青木と山田だが…

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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