台風21号、25年ぶりの上陸記録か?そのわけは?
火曜日の昼過ぎ~夕方にかけて上陸か
台風21号は再び中心付近に眼が見えており、非常に強い勢力を維持しながら日本の南を北上しています。
きょう午後6時現在の勢力は、中心気圧が935hPaで、最大風速50メートル、最大瞬間風速は70メートルとなっています。
台風は今後もほぼ今と同じような勢力を維持しながら、月曜日に沖縄本島や奄美地方の東の海上をやや離れて北上し、火曜日には西日本の南の海上に接近してくる見込みです。
最新の予報円では火曜日の午後3時には高知県や徳島県のすぐ南の海上まで達しており、昼過ぎ~夕方頃のタイミングで、四国ないし紀伊半島に上陸する恐れが高いものとみられます。もし仮に四国と紀伊半島の間(紀伊水道)に入った場合は、夜にかけて近畿地方に上陸する可能性もありそうです。
その後は夜遅くにかけて北陸周辺を通過した後、日本海を一気に駆け抜け、水曜日の朝に北海道の西を通過し、水曜日の午後には北海道の北で温帯低気圧に変わる予想です。
予想通りの進路ならば、危険度が最も高いのは台風中心のすぐ東側に入る紀伊半島だと思われますが、上陸地点や速度で危険地域はまだまだ変わる可能性があり、最新の情報に十分ご注意下さい。
25年ぶりの上陸記録か?そのわけは?
今回の台風21号は上陸寸前の火曜日午後3時の時点で、中心気圧945hPa、最大風速45メートル、最大瞬間風速60メートルが予想されています。
台風の上陸記録としては、上陸した時点での中心気圧や最大風速などが挙げられますが、もし今回945hPa~950hPa程度で上陸するとした場合、その上陸例を上げるとそれほど珍しくはありません。(参考940hPa以下の上陸台風)
近年の950hPa以下の上陸台風(中心気圧、最大風速)
2017年台風21号静岡県(950hPa、40メートル)
2011年台風15号静岡県(950hPa、40メートル)
2007年台風4号鹿児島県(945hPa、40メートル)
2006年台風13号長崎県(950hPa、40メートル)
2004年台風22号静岡県(950hPa、40メートル)
2004年台風18号長崎県(945hPa、40メートル)
2004年台風16号鹿児島県(950hPa、40メートル)
2003年台風10号高知県(950hPa、40メートル)
1998年台風18号熊本県(950hPa、40メートル)
1994年台風26号和歌山県(950hPa、40メートル)
1993年台風13号鹿児島県(930hPa、50メートル)
ここで注目するのはその最大風速です。
1994年の台風26号までいずれも最大風速は40メートルとなっており、台風の強さの区分では最大風速33メートル以上44メートル未満の強い台風ということになります。
非常に強い台風と定義される44メートル以上の記録となると1993年台風13号の50メートルまでさかのぼることになり、もし今回の台風が最大風速45メートルを維持したまま上陸すれば、この台風以来25年ぶりの上陸記録となるのです。
一般に台風はその中心気圧が低ければ低いほど中心付近の最大風速も強くなりますが、実は台風それぞれの構造により若干変わるため、完全に中心気圧=最大風速というわけではありません。
例えば、2011年台風6号徳島県(960hPa、40メートル)、1976年台風17号長崎県(955hPa、35メートル)というように、中心気圧が低いのに最大風速が弱いという逆転現象も起こります。
ただ重要なことは最大風速40メートル(強い台風)と45メートル(非常に強い台風)ではその危険度の大きさにあまり差はなく、もし仮に非常に強い台風から強い台風に変わったとしても厳重な警戒(最大級の警戒)を要することになんら変わりはないということです。
参考サイト(デジタル台風)
平成30年7月豪雨による大雨被害に対して、緊急災害支援募金(Yahoo!基金)を行っていますので、ご協力をお願いいたします。