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22日(火)は関東平野部でも雪が交じるような極寒に 咲いたばかりの東京の桜も震え上がる寒さに

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
西新宿の雪(写真:イメージマート)

南岸低気圧と最下層寒気

22日21時の予想天気図(ウェザーマップ)
22日21時の予想天気図(ウェザーマップ)

連休明けのあす22日(火)は南岸低気圧と上空の寒気の影響で、関東甲信の山沿いでは雪が降り、関東平野部でも冷たい雨に雪の交じる所が多くなるような予想です。

きのう20日(日)は東京で桜の開花発表がありましたが、咲いたばかりの桜も震え上がるような強烈な寒の戻り、極寒となるかもしれません。

ではあす、東京都心を含めて、関東平野部で雪となる可能性はどれくらいあるのか、今年雪となった日の最下層寒気(上空500メートル付近の気温)の状況で確認してみたいと思います。

今年、雪が降った時の上空500メートル付近の気温

上空500メートル付近の気温の実況(ウェザーマップ)
上空500メートル付近の気温の実況(ウェザーマップ)

今年東京都心で雪やみぞれを観測した時の上空500メートル付近の実況解析は上図の通りとなっています。

積雪10センチを記録した1月6日(木)は、東京都心を含め、埼玉から都内にかけて-3度以下の寒気に覆われています。上空500メートル付近で-3度以下となれば、かなりの高い確率で積もるような雪となります。

また2月10日(木)は積雪2センチ、2月14日(月)は積もらなかったもののみぞれを観測し、この時は東京都心あたりに-2度以下のラインが南下していました。-2度以下となれば、雪が交じるのはもちろん、降水量によっては積もる雪となります。

一方、先週、春本番の陽気から一転、冷雨で厳寒となった3月18日(金)は、内陸に-1度以下の寒気が流入し、前橋や水戸などでみぞれを観測しましたが、東京都心上空は0度を少し下回った程度で、地上の気温は3.8度まで下がったものの、冷たい雨のままで推移しました。

このように上空500メートル付近の気温で見る限り、大まかには0度あるいは-1度くらいが雪の交じり始める気温、-2度くらいが積雪の生じ始める気温、さらに-3度以下だと積雪が生じる可能性が高い気温ということが言えるかと思います。(もちろんこればかりの条件ではありません。)

あす22日(火)の最下層寒気は?

上空500メートル付近の気温の予想(ウェザーマップ)
上空500メートル付近の気温の予想(ウェザーマップ)

あす22日(火)はどうでしょうか?

最新の予想をみると、午前9時には、南の低気圧に引っ張られるように0度以下の寒気が北から関東平野にくさび状に流れ込み、関東北部から埼玉あたりには-1度以下の寒気も流れ込んでいます。

午後3時になると、寒気はさらに南まで広がり、東京都心付近でも-1度以下まで下がる計算となっています。

もしこの予想通りならば、平野部では冷たい雨が主体で降るものの、内陸ほど雪が交じりやすく、東京都心でも午後は雪の交じる可能性があるという見解になるでしょう。

ただこの最下層寒気の予想は大変難しく、実際はこの気温より1度程度ずれることは珍しくありません。この1度のずれが冷たい雨に変わったり、雪に変わったりするため、なかなか当初の予想通りにいかないのも事実となっています。

もし仮に気温が低い方にずれた場合は雪寄りに変わり、影響が一気に大きくなってしまうため、雨寄りよりは雪寄りに伝えようとしてしまうのも正直あるところです。

午前中は山沿いで雪、平野部は冷たい雨が主体

雨や雪、みぞれの予想(ウェザーマップ)
雨や雪、みぞれの予想(ウェザーマップ)

最下層寒気を踏まえた最新のコンピューターによる計算では、あす22日(火)の明け方頃から弱い降水が始まり、昼頃にかけて、関東甲信地方に大きく降水域が広がる見込みです。

午前中は山沿いで雪となる他、平野部では多くの所で冷たい雨が主体となりそうですが、最下層寒気の強まる正午の段階では、多摩地方をはじめ、前橋、宇都宮など内陸から雪が交じるような予想となっています。

午後は平野部でも雪の交じる所が多い?

雨や雪、みぞれの予想(ウェザーマップ)
雨や雪、みぞれの予想(ウェザーマップ)

さらに午後になると最下層寒気が強まるため、雪やみぞれの範囲が平野部へも広がり、午後4時の時点では、東京都心を含め、平野部の多くの地域で気温が2度を下回り、みぞれや雪が降るような計算となっています。

なおこの夕方頃にかけてが降水のピークとなる予想で、午後6時以降は、雨や雪の終わる所がだんだん多くなるでしょう。

今のところ、平野部では雪が降っても、気温が1度を下回り、積雪が生じるような状況にはならないと思われますが、今後も最新の気象情報にお気をつけください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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