「ドローン」+「自撮り」=特許?
ホットなテーマである「ドローン」と「自撮り」、これらを組み合わせてカメラを搭載したドローンで自分を撮影するというアイデアは誰でも思いつくでしょう。そもそも、「ドローン」の使い道と言えば、何かを運ぶか、何かを映すか、(そして、何かを攻撃するか)でしょう。したがって、ドローンで自撮りというアイデアだけで特許を取得するのは不可能であり、何かもう一工夫必要になります。
CES 2015において「ドローン」と「自撮り」という組み合わせで注目を集めた製品にNixieというスタンフォード大の研究者や元グーグル社員がインテルの出資を受けて始めた会社によるものがあります。
普段は腕に巻き付いた状態のカメラ内蔵をドローン空に解き放って自分の動画を撮影できます。ドローンが自分について来て撮影してくれるという「スーパーマリオ3D」のようなこともできます。完全にSFの世界です。
同社の公式ビデオで製品「コンセプト」が見られます。
CNETによるCES 2015取材ビデオにおける実際のプロトタイプを見ると外観上はコンセプトとはだいぶ違ってコレジャナイ感がありますが、少なくとも、一度飛ばして動画を撮りながら手元に戻ってくるブーメランモードは動作しているように見えます。ベイパーウェアというわけではなさそうです。
2015年中の市販開始を目指しているそうですが、みんなが観光地でこれを使い出したら危なくてしょうがないですね。いずれは、何らかのルール作りが必要とされるでしょう。
特許の話に戻りますが、別記事によると、手首に巻き付けられるというフォームファクター、ジェスチャーによるコントロール、内部アルゴリズム等に関する特許出願済であるそうです(当然です)。
当該特許出願をGoogle Patent Searchでサーチしてみましたがまだ公開はされていないようです。ちなみに、こういう時のサーチは社名でやると、Nixie名義とは限らない(Intelが出資の条件として権利を譲渡させている可能性もありますし、別に知財管理会社がある可能性もあります)ので、漏れを防ぐためには発明者名義でやるのがポイントです。発明者がよくある名前だとちょっとやっかいですが、今回は”CHRISTOPH KOHSTALL”という人なので、たぶん漏れなくサーチできたと思います。また、しばらくしたら調べてみようと思います。
この特許出願の具体的内容、及び、特許取得の可能性はまだわかりませんが、一般論として、世の中に知られているアイデアであっても、製品実装上の様々な技術的工夫で特許を取得できる余地は十分にあることは多いです。