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性犯罪と性暴力。加害者の味方? 加害者を援助? 性依存症の治し方について。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


私が、自己紹介などで、「愛知県名古屋市で、カウンセリングルーム『心の相談室with』の室長をやっています。心理臨床家の竹内成彦と言います。ときに、性犯罪などの加害者を援助しています」等と言うと、大変に驚かれることがあります。「ええっ、加害者を援助しているの? 援助しているのは、被害者じゃないの? 加害者なの?」と…。

私が援助しているのは、性犯罪者の被害者ではなく加害者です。被害者を援助している人は、たくさんいます。そういう団体も少なくないです。被害者は、同情されることも少ないのです。けれど、性犯罪の加害者を援助している人は少ないです。彼らは、罰せられられたり軽蔑されたり疎外されたりすることは多いですが、同情されたり共感されることは少なくないのです。

私は、心から性犯罪を撲滅したいと願っています。世の中から性犯罪が消えてなくなって欲しいと思っています。性犯罪を1件でも減らすことが、依存症を治すのが得意な心理カウンセラーである私の使命だと思っています。そのためには、被害者を庇ってばかりではいけません。加害者を出さないことが非常に大切なのです。

性犯罪は、懲罰や、周囲のお説教や説得、加害者本人のしっかりとした道徳感や強い意志や真剣な誓い、深い反省や後悔などで、やらなくなるものではありません。性依存を治すためには、知性を司る人間脳に訴えるだけではなく、根源的な欲求を司る動物脳に訴えることが大切なのです。

「性犯罪を起こす人は、性欲が盛んで、女に不自由している人が多い」というのは誤解です。もろろん、上記の人が多いというのは事実ですが、そうとは限らない…ということです。良識ある社会人で、特別に性欲が強いわけでもなく、綺麗な奥さんがいて、性生活も充実していて、可愛らしいお嬢さんがいる人でも、性犯罪を繰り返す人は繰り返します。

何故か?

それは、心の病だからです。

逆に言えば、病だから、治療すれば良くなります。
完治(完全に治る)するのではなく、寛解(やらない状態が続く)します。

私(竹内成彦)は、
性犯罪を起こした人が、今後2度とやらないためには、こころを整え、環境を整え、脳を整えることが大切だと思っています。そのためには、精神医学と脳科学と性格心理学に詳しい心理カウンセラーの許へ、定期的に継続的に通うこと、通い続けることが大切です。

私は、性犯罪を起こした人に対しては、日頃の生活指導と共に、成仏療法条件反射制御法を用いて治療に当たっています。「こころにスキを作らないこと、環境にスキを作らないこと、時間にスキを作らないこと、が大切なんですよ」と助言しています。

性犯罪者の家族や配偶者の方には、「治療の邪魔をしないで欲しい」と、お伝えしています。家族や配偶者の方には、「カウンセリングに通い続けることを末永く、応援して欲しいと」お願いしています。けれど、治療の邪魔をする家族や配偶者は、驚くほど多い…というのが実情です。きっと彼らは、自分の家族や配偶者が、カウンセリングに行く度に、事件のことを思い出し、胸を痛めるのでしょうね。
「もう、カウンセリングに行かなくてもいいんじゃないの?」「最近は、落ち着いているから、もう通わないようにしたら?」と言ってしまう、加害者の家族や配偶者は、驚くほど多いです。

「2ヶ月、3カ月に1度でもいい。定期的に継続的に通い続けていたら、再犯せずに済んだのに」と思うことが多い私(竹内成彦)です。

私は、カウンセリングが終わったあと、クライアント自らが、次の予約を取って帰る。「来月のいついつ、再来月のいついつに、また此処(カウンセリングルーム)に、綺麗な身体で戻って来る」というクライアントの思いが、性犯罪の大きな抑止力になる…と強く思っています。
実際、予約を取って帰ると、クライアントは、次のカウンセリングの予約日を覚えておかなくてはならないですからね。いつも頭の片隅に、カウンセリングのことが頭にあるというわけです。

私のカウンセリングルームにご来室しておきながら、また性犯罪を起こしてしまった人は、次の予約を取って帰らなかった人、間隔をあまりにも空けてしまった人であることが多いです。
性犯罪を繰り返さないためには、性依存症である自分を受け容れ、生活の中で、性依存症を治す優先順位を上げておくことが大切です。「仕事の予定がまだわからないから、カウンセリングの予約をせずに帰ります」「暇が出来たら、また来ます」「気が向いたら、またカウンセリングに来ます」という態度・姿勢では、治るものも治りません。そう、性依存は、そんなヤワな心の病ではないのです。

昨日も今日も明日も、私(竹内成彦)は、卑劣な性犯罪を1件でも減らすべく、誠心誠意、性犯罪者の心に寄り添って、カウンセリングをしていこうと思います。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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