2022年上半期 “総括! ニュースなベストコスメ”
多くの美容誌や女性誌で、今年の上半期にヒットしたコスメを特集したベストコスメが発表されました。
コロナ禍になってからは、肌荒れに対処するスキンケアや、マスク着用時の蒸れ・擦れに対応したメイクアップなど、〝肌を守る・保護する”アイテムが中心に売れており、2022年の上半期では、その傾向は続いているものの、今年は、“守り”に加えて、エイジングケアや高機能などで“攻め”の姿勢をとったコスメに人気がシフトしています。
守るだけでは物足りない、アフターコロナを見据えて、しっかりと肌作りをしていきたいという意思が垣間見れたベストコスメのラインナップのなかから、今回は注目の4品をピックアップしました。
“液状顔料”という技術革新で際立ったスック
まず、ひとつめに紹介するのは、スックが発売したリキッドタイプのファンデーション、「ザ リクイド ファンデーション」です。
支持を集めた理由は、「高いカバー力を発揮しながらも、薄膜で軽い」と、両立するのが困難な特長をクリアしている点にあります。
その秘密は、液状の顔料を開発して採用したこと。通常のファンデーションの顔料は粉体であることから、カバー力が高くなればなるほど、肌への塗布感は重くなる傾向にありました。しかし、こちらの顔料は液状のため、粉感がゼロに。
しかも肌への密着感も高まったことにより、力強いつや感やロングラスティングなど、ファンデーションに求められる機能性をすべて底上げ!
結果、こちら1品で圧倒的な美肌をつくれるように。1万円を超える価格ながら、多くの支持を得ています。
つけ心地のいい〝日焼け止め”を極めたカネボウ
続いて紹介するのが、多くの店舗で発売直後に予約分が完売したという日焼け止め美容液、カネボウの「ヴェイルオブデイ」です。
こちらはSPF50+・PA+++と、極めて高い紫外線防御効果がありながらも、日中の肌への“継続補水効果”により、気持ちのいいつけ心地やうるおいが持続することから人気を集めました。
ヒットの理由は、マスク着用というコロナ禍の影響が大きいといえます。マスクによる擦れや空調による寒暖差など、日中の過酷な肌環境から肌を守るために、カネボウは、約75%が水分と水溶成分でつくられる、厚みのある‟水膜”を開発。
この水膜により、肌バリアを高めながら、長時間、継続的にうるおいを投与することを可能にしました。
加えて、油膜感がないことから、マスク内のべたつきが緩和するというメリットを支持する声も多数。長引くマスク生活のなかで、そのつけ心地のよさがクチコミで波及したベストコスメです。
高機能化粧水で大人の毛穴悩みに挑んだポーラ
スキンケアでは、マスク着用時で急増した“毛穴”の悩みを、高いレベルでクリアした、ポーラの「B.A ローション イマース」が象徴的なアイテムに。
マスク着用時の“蒸れ”により、肌が荒れてしまう人が多くいますが、それは汗に含まれるたんぱく質が糖化した“糖化汗”が原因であることを発見。
そこで、ポーラは汗の糖化を防ぐことで、肌荒れを防ぎながら、美肌力を高めていくアプローチを考案しました。
しかも、そのテクノロジーを美容液ではなく、あえて化粧水にもたせることで、従来の化粧水にはなしえない、エイジングケアを叶えたことも画期的。
価格は1万円を超えますが、毛穴ケア+エイジングケア+保湿ケアと、さまざまな作用を1本に集約させたことが高評価を獲得。肌をゆらぎのない状態に育みたいというニーズに合致した結果のランクインといえるでしょう。
3種の“掛け算”で効かせるランコムの美容液
上半期のスキンケアでは美容液が大混戦でしたが、それを制したのが、ランコムから登場した「レネルジー HCF トリプルセラム」です。
年齢を重ねた肌は、シミ、しわ、たるみと全方位のエイジングケアが必要ですが、それぞれに対応する美容液を使うのは面倒。だからこそ、手間をかけないながらも、それぞれの効果を最大限に効かせるべく開発されたのが、3種の美容液がワンプッシュで出る、画期的なボトルでした。
こちらには、肌をトーンアップさせる成分であるナイアシンアミドとビタミンC誘導体、肌をふっくらと整える次世代ヒアルロン酸、そして、エイジングケアを施すフェルラ酸という、目的が異なる3種類の美容液が1本ずつセットされています。
これら3種の成分はそれぞれ高い効果をもつ成分ですが、3種を同時配合することは安定性・効果感の点で難がありました。
そこで、この3種の美容液が使う直前に手のひらで混ぜ合わせるという方法をとることで、全方位からのエイジングケアを実現。
さらに、3種が組み合わさることの効果により、足し算ではなく、“掛け算”で効かせるケアを実現させています。
このように、2022年上半期では“肌を守りながらも美肌力を高める”というケアが人気を集めました。
すでに下半期に向けた新製品発表ははじまっていますが、“弱った肌を徹底的にケアする”という敏感肌用の新シリーズも豊富に登場しており、コロナ禍で不安定になりがちな肌を、いかに安定させるかというアプローチはまだまだ続きそうです。