巷に広がる野菜の誤解について③キュウリが曲がる原因と理由
だんだんどうも!かーびーです^^
有機野菜の誤解シリーズは一旦今回で終わりです。
人気があればまたやろうと思いますのでよかったらご意見ご感想をお寄せ下さい。
今回のテーマはタイトル通り、『キュウリが曲がる原因と理由』についてです。
この話を書こうと思ったのは
『自然なキュウリは曲がっている物だ』
『スーパーのキュウリはまっすぐになるように薬が使われている』
…というような誤解というか、イメージが一部の自然派志向の方々に広がっていると感じたからです(YouTubeのコメント欄とかで『虫食い野菜安心安全説』と同様に見られる)
キュウリが曲がる本当の理由
私は無農薬栽培は2011年の夏から約10年間、自然農は2014年の夏から約7年行ってきて、毎年キュウリも育てています。植えるのは殆ど固定種のタネで無農薬・無肥料、畑には雑草も生えていて沢山の虫たちも住んでいます。いわゆる『自然』に近いキュウリだと思います。
それらを観察していると、曲がった物や先が細った物もありますし、きれいにまっすぐに出来る物もあります。
一般的な原因・理由だけでは納得できなかった
キュウリの栽培でよく言われていた『曲がる原因』は、『水分か養分の不足』でしたが、
それでは納得できないことがよくありました。
(※曲がる原因はいくつかあるので、↑これらが原因になる場合ももちろんあります。)
同じ株から、同時に実っているのに、まっすぐなキュウリと曲がっているキュウリが同時にあることです。
根っこが同じで、同じタイミングなのだから水分・養分不足が原因というのはおかしい。
そう思っているなかで聞いて納得した原因が『受粉の偏り』でした。
『受粉の偏り』とは?なぜそれで曲がるのか。
当たり前ですが、キュウリは実を食べる果菜です。
では『実』とはなんでしょうか?
私たちからすれば食べ物ですが、植物からすれば実は種を成熟させるためのゆりかごのようなもの。
雌しべに雄しべの花粉が付着(受粉)することで種が作られ始めます。
では、受粉せずに種が作られないと…?
育てる物が無いのでゆりかごを作る必要が無くなります。
つまり実が太らない、あるいは大きくならずに花が枯れ落ちることになります。
※但し、キュウリは受粉しなくても実が大きくなる単為結果植物です。その事については後ほど詳しく。
キュウリなどウリ科の野菜は雌雄異花で雄花と雌花が別々に咲きます。
それが虫によって運ばれて受粉します。
虫が少なければ十分な受粉がされずに、部分的に受粉した方だけが身が太っていき、受粉していない方は太りにくいのでこの生長量の差によって曲がるという説です。
種が出来るまで成熟させた曲がったキュウリやナスを切ってみるとカーブの外側(太ってる側)には種がたくさん出来ていて内側には殆ど種ができていなかったりします。
農薬で虫を減らしたらキュウリが曲がりやすくなる?
先にも述べましたが、キュウリは受粉しなくても実が大きくなります。
下手に受粉しないほうが均等に実が生長すると考えられるので、
虫がいない時期に密閉して栽培する冬場のハウス栽培はまっすぐなキュウリを育てるのには好都合となります。
でも受粉したらその部分はより大きくなろうとするので、
夏場の露地栽培で草を生やさず、農薬を使って虫を半端に減らしたら、曲がったキュウリが出来やすくなるとも考えられます。
ちなみに私の畑では沢山の虫がいるお陰か、キュウリは夏場の露地栽培でほぼほったらかしでも、雨さえ定期的に降ればほとんど曲がらずまっすぐ出来ます。
(ウチの畑の場合は水やりもあまりやらないので曲がる原因は主に雨不足になりますね)
まとめ
さて、3回に渡って色々と書いてきましたが、どれも現在一般的に言われている話とは違う物だったと思います。これだけ書いておきながらなんですが、今回書いたことが全て正しいとは思わずに、
一つの仮説、事実の捉え方や解釈の仕方だと思って下さい。
野菜栽培はケースバイケースなことがとても多いです。
情報を鵜呑みにせずに、そこで起きた事実は何が原因だったのかをきちんと考えてみる。
その考え方が常にできるようになると、野菜栽培に限らず、物事の理解が正しく行えて溢れている情報に惑わされなくなっていくと思います。
最後に今回の事を説明している動画のリンクも貼っておきますので良かったら復習がてら見てみてください。
ということでまた次回。
※後で間違いに気づいたり、追加情報書きたくなって加筆修正したりするので、よかったら時々見直しに来てみてください^^
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