このトレードは大成功なのか。昨夏に獲得した若手3人が、同一カードで揃って先発登板
オークランド・アスレティックスは、4月24日から、エンジェル・スタジアムで試合を行っている。このカードは、27日までの4試合だ。
すでに終わった2試合の先発マウンドには、ケン・ウォルディチャックとメイソン・ミラーが上がった。ここからの2試合は、ルイス・メディーナとJP・シアーズが予定されている。
彼らのうち、ミラー以外の3人は、昨夏のトレードでニューヨーク・ヤンキースからアスレティックスへ移ってきた。アスレティックスは、先発投手とリリーフ投手、フランキー・モンタスとルー・トリビーノを放出し、その見返りに、3人と内野手のクーパー・ボウマンを獲得した。4人中、この時点でメジャーデビューしていたのはシアーズだけだ。シアーズにしても、デビューから4ヵ月経っていなかった。
同じトレードで移ってきた3人が、そこから1年経たないうちに、先発投手としてメジャーリーグに揃い踏みする。ボウマンはまだAAにいるが、アスレティックスにとっては大成功のトレードのようにも見える。
ただ、その評価はまだ早すぎる。ウォルディチャックとシアーズは、開幕からローテーションに入っているものの、ここまでの防御率は7.82と4.98だ。メディーナは、4月26日がメジャーデビューとなる。
メディーナの速球は100マイルに達するものの、制球に難がある。今シーズンも、AAAの3登板で9.1イニングを投げ、与四球8を記録している。
ローテーションの崩壊――最初から機能していないのに、崩壊という表現がふさわしいのかどうかはさておき――がなければ、メディーナの昇格は、もっと先だったのではないだろうか。ポール・ブラックバーン、ドルー・ルチンスキー、フレディ・ターノックの3人は、開幕から故障者リストに入っている。ジェームズ・カプリリアンと藤浪晋太郎は、炎上が相次ぎ、ブルペンへ回された。メディーナと入れ替わりに、カプリリアンはAAA行きとなった。開幕後に昇格し、先発投手としてメジャーデビューするのは、4月19日に昇格&初登板のミラーに続き、メディーナが2人目だ。
アスレティックスの先発防御率8.86は、30チームのなかで最も高いだけではない。ワースト2位のボストン・レッドソックスと比べても、2.41もの差がある。救援防御率6.84も最も高いが、ワースト2位のカンザスシティ・ロイヤルズとの差は0.55だ。
開幕から24試合を終え、アスレティックスは5勝19敗。白星を手にした先発投手は、まだ誰もいない。