いよいよ梅雨前線が本州付近へ北上 記録的に早い梅雨入りもあり得る状況に
西日本から一気に北上へ
タイトル画像にある通り、現在、中国大陸南部から日本の南を通り、日本の東にかけて、東西数千キロにも及ぶ雲の帯が発生しており、これが梅雨前線に伴う雲の帯で、いよいよ週末に本州付近へと北上してきます。
季節的にはあまりにも早すぎる北上とも言える状況です。
上図の天気図をみると、きょう14日(金)は梅雨前線がまだ九州の南海上にありますが、あす15日(土)になると、一気に西日本へ北上し、その後、来週にかけて本州付近に横たわることが多くなりそうです。
3日前の11日(火)は九州南部で平年より19日も早く、統計史上2番目に早い梅雨入りの発表がありましたが、週末から来週にかけての気圧配置をみると、九州南部以外の西日本でも梅雨入りの発表があり得る状況です。
また関東甲信や東海など東日本でも来週にかけては6月並みのまさに梅雨のステージに似た状況となりますが、気象庁としてはまだもう少し先の天候を見極めてからということになるかもしれません。
梅雨の走りと取るか梅雨入りと取るかは気象庁の考え次第ですが、梅雨入りを発表してもおかしくない気圧配置となるのは間違いありません。
15日(土)は西日本に暖湿流
15日(土)は西日本で一気に北上する梅雨前線に向かい、南から暖かく湿った空気が流れ込む予想です。
上図左の暖湿流の予想は、気温と水蒸気を加味した指標で、数値が高ければ高いほど、雨雲のもととなる水蒸気をたっぷりと含んだ暖かく湿った空気ということになります。
西日本には330K以上の激しい雨(非常に激しい雨)をもたらすような暖湿流が流れ込みますので、九州を中心に大雨となるおそれがあります。
16日(日)はさらなる暖湿流
さらに16日(日)になると、一段と水蒸気をたっぷりと含んだ345K以上の暖湿流が西日本の日本海側を中心に流れ込み、これに伴って、特に活発な雨雲が日本海に発生する予想です。この345K以上の暖湿流は梅雨最盛期の大雨をもたらすような湿った空気とも言えます。
17日(月)にかけて日本海側中心に大雨のおそれ
そして345K以上の暖湿流に伴って発生した活発な雨雲が17日(月)にかけて、日本海からゆっくりと南下し、日本海側の各地にかかる予想となっています。
このため、東北から九州にかけての日本海側を中心に雷を伴った激しい雨(非常に激しい雨)が降り、大雨となるおそれがあります。
日本海側で大雨警報級の大雨のおそれ
活発な梅雨前線の北上により大雨となるおそれがあるとして、きょう14日(金)昼前の段階で、気象庁から注意、警戒が呼びかけられています。
上図は早期注意情報(警報級の可能性)で、警報級のおそれがある時に出される情報ですが、17日(月)は東北から九州にかけての日本海側の広範囲に、警報級の可能性[中]という情報となっています。
警報級の現象は、ひとたび発生すると命に危険が及ぶなど社会的影響が大きいため、可能性が高いことを示す[高]だけではなく、可能性が高くはないが一定程度認められることを示す[中]も発表されており、現在はこの[中]の段階です。
今後、気象庁から大雨に関する情報などが出されると思いますが、いつもよりかなり早めにやってくる梅雨前線に伴う大雨に十分な注意、警戒が必要です。