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【京都市北区】天然記念物である大田神社のカキツバタの野生群落が見頃を迎えています

くまライター(京都市)

京都市北区の大田神社で、カキツバタが見頃を迎えています。

大田神社は上賀茂神社から数百メートル東に鎮座する摂社。この地域における最古の神社と伝えられており、上賀茂神社よりも古く、長寿の信仰があります。

祭神としてまつられる天鈿女命は天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩屋に隠れた時にその前で踊った女神で、芸能の神さまとされます。手塚治虫『火の鳥 黎明編』にも登場しますね。

大田の沢のカキツバタ群落

境内の「大田の沢」にはカキツバタの野生群落(天然記念物)があります。

大田の沢は約2000平方メートルの敷地に約25,000株のカキツバタが自生しています。

大田の沢のカキツバタは藤原俊成の歌にもよまれ、平安時代にはすでに有名だったそうです。

また、尾形光琳の『燕子花(かきつばた)図』のモチーフになったという説があります。

大田ノ沢は近くの深泥池と同様に沼地であったといわれており、京都盆地がかつて湖であった頃の面影を残すものとして、1939年(昭和14年)に国の天然記念物に指定されました。

カキツバタの見頃は5月の上旬で、例年多くの人が訪れます。

今年は例年より少し遅い4月下旬から咲き始め、ゴールデンウィーク明けぐらいから見頃を迎えています。派手さはありませんが、青紫の花と葉の緑のコントラストが実に美しい。

カキツバタは15日頃まで楽しめるそうです。

実物は写真よりずっと綺麗です。ぜひ現地でご覧になってください。

境内を流れる湧水には「蛇の枕」と呼ばれる小さな石があり、周辺には「タコガエル」が生息しています。

「蛇の枕」は蛇が枕にしていたと伝えられ、蛇は雨を降らせる生き物とされることから「雨乞い石」とも呼ばれ、雨乞いに使われたそうです。

タコガエルは鳴き声はするんですが、姿は確認できませんでした。

大田神社の前には、芸術家で美食家の北大路魯山人の生誕地として石碑があります。

北大路魯山人は漫画『美味しんぼ』に登場する「海原雄山」のモデルであり、作中で海原雄山の師とされる人物。この機会に北大路魯山人ファンと『美味しんぼ』ファンの方もぜひ。

大田神社
住所/京都市北区上賀茂本山340
電話/075-781-0907

ライター(京都市)

大阪生まれの大阪育ち、京都在住のライター・DTPデザイナー・イラストレーターです。京都の情報誌を経てフリーランスになりました。よろしゅうおたのもうします。

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