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今週10日(金)の関東平野部は、雪主体のち雨主体か

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雪の新宿公園(写真:イメージマート)

10日(金)に南岸低気圧が通過へ

降水域や下層寒気の予想(ウェザーマップ)
降水域や下層寒気の予想(ウェザーマップ)

今週10日(金)に、冬季の関東平野部に降水をもたらす南岸低気圧の通過が予想されています。上空の寒気(下層寒気)が強ければ強いほど、雪になる可能性が高まりますが、最新の計算では、午前中は雪が主体、午後はみぞれや冷たい雨が主体という可能性がやや高まってきたようです。

上図は10日(金)午後3時の降水域や下層寒気の予想です。

低気圧が西日本を東進し、またこれとは別に、東海沖あたりにも小さな低気圧が隠れており、これらの降水域が西日本から東日本に大きく広がっています。

上図右は上空1500メートル付近の下層寒気で、-3度以下が関東平野部の雪の目安と言われていますが、午前中は関東地方をすっぽりと覆っているものの、午後になると徐々に北上し、午後3時の段階では、関東北部まで北上する計算です。

きのう5日(日)予想された状態よりも、下層寒気の北上が早まっており、この最新の計算からすれば、関東平野部では午前中は雪が主体、そして午後になると、みぞれや冷たい雨が主体になると思われます。

午前中は雪が主体か

雨や雪の予想(ウェザーマップ)
雨や雪の予想(ウェザーマップ)

東海沖に顕在化する降水域が関東平野部にかかってきそうなのが、10日(金)明け方から朝にかけてです。

この時点では、まだ強い下層寒気にすっぽりと覆われていますので、千葉や茨城を除き、関東平野部の広い範囲で雪が降り出してくる予想です。都内も八王子などの多摩地方はもちろん、東京都心付近でも雪の可能性がかなり高いと思われ、朝の通勤通学の時間帯は、広く雪が舞うでしょう。

午後は次第に雨が主体か

雨や雪の予想(ウェザーマップ)
雨や雪の予想(ウェザーマップ)

ところが昼前から昼過ぎにかけては、下層寒気が徐々に北上し、寒気は弱まるため、雨の範囲が内陸へ広がり、東京都心や横浜、さいたまなどは、冷たい雨に変わってきそうです。

ただ八王子などの多摩地方や前橋、秩父などの山沿いは、引き続き、雪が主体で降る可能性が高いと思われます。

夜も雨が主体か

雨や雪の予想(ウェザーマップ)
雨や雪の予想(ウェザーマップ)

夕方から夜の帰宅時間になると、西日本からの低気圧が近づき、降水が強まり、北からの寒気を再びやや南下させる可能性もあるため、雪やみぞれの範囲が少し広がるような予想です。それでも東京都心や横浜、さいたまなどは、冷たい雨や雨に少し雪が交じるみぞれ程度で推移する可能性が高い計算となっています。

関東平野部の降水は低気圧の抜ける11日(土)明け方頃まで続く見込みです。

以上、最新の予想をまとめると、関東平野部では10日(金)朝の降り出しは雪が主体の所が多いものの、日中は次第に冷たい雨が主体へと変化する見込みです。

どれくらいの降雪量となるかは、どれくらい雪が主体で降り続くかによるため、とても難しいのですが、平野部でも積雪が生じる可能性が十分にあり、また山沿い方面は数十センチの降雪となってもおかしくありません。

今後も低気圧のコースや発達具合、下層寒気の強弱により、予想は大きく変わる可能性がありますので、最新の見解にご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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