ポストシーズンの「ブルペン・デー」は成功するのか。Dバックスはリリーフ左腕を先発マウンドへ
ナ・リーグのチャンピオンシップ・シリーズは、フィラデルフィア・フィリーズが最初の2試合に勝った後、第3戦はアリゾナ・ダイヤモンドバックスがサヨナラ勝ちを収めた。
第4戦の先発マウンドには、クリストファー・サンチェス(フィリーズ)とジョー・マンティプライ(ダイヤモンドバックス)が上がる。
今シーズンの登板は、サンチェスが先発18試合とリリーフ1試合、マンティプライは先発3試合とリリーフ32試合だ。マンティプライの先発登板は、いずれも1.1イニング以下。過去2シーズンは、すべてリリーフとして計126試合に投げ、今年のポストシーズンも、ブルペンから4試合に登板している。
ダイヤモンドバックスのトーリ・ルベロ監督――2000年にヤクルト・スワローズでプレーした時の登録名はトレイ・ロブロ――は、マンティプライを筆頭にリリーフ投手をつないでいくか、マンティプライに続く2番手に先発投手のライン・ネルソンを起用するつもりなのだろう。前者は「ブルペン・ゲーム」あるいは「ブルペン・デー」、後者は「オープナー」となる。
ディビジョン・シリーズの第3戦以降、フィリーズのラインナップの1番から3番には、5試合とも、カイル・シュワーバー、トレイ・ターナー、ブライス・ハーパーが並んでいる。3人のうち、シュワーバーとハーパーは左打者だ。
今年、ここまでのポストシーズンで先発マウンドに上がった投手のなかに、マンティプライのようなリリーフ投手は見当たらない。いずれの投手も、今シーズンの登板は、すべて先発、あるいはリリーフよりも先発のほうが多かった。見落としがなければ、昨年のポストシーズンも同様だ。
ただ、2021年のポストシーズンは違った。ロサンゼルス・ドジャース、アトランタ・ブレーブス、タンパベイ・レイズの3チームが、リリーフ投手を先発登板させている。
ドジャースとブレーブスは2人ずつ。それぞれ、コリー・クネイブルとジョー・ケリー、ジェシー・チャベスとディラン・リーが先発マウンドに立った。
この6試合のうち、半数は初回に点を取られているので、成功しているとは言い難い。ただ、先発投手が最初に投げる通常の試合と違い、基本的に2番手の投手がブルペンで用意をしているので、初回に大量失点の事態は避けやすい。少なくとも、投手交代という手を打つことはできる。
マンティプライが先発として投げた今シーズンの3試合は、1イニング無失点、0.2イニング無失点(2死一塁で降板)、1.1イニング1失点(1死走者なしで降板)だ。3試合目の失点は、初回の1死二塁から鈴木誠也(シカゴ・カブス)に二塁打を打たれた。
フィリーズに対しては、レギュラーシーズンとポストシーズンで各1登板。6月13日は、7点ビハインドの6回表から3イニングを投げ、1イニング目は3人で終わらせたが、あとの2イニングで計4点を取られた。リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第2戦は、3点ビハインドの6回裏、2死一塁の場面で、先発投手のメリル・ケリーからマウンドを引き継ぎ、最初の4人を出塁させて――シングル・ヒット、二塁打、敬遠四球、二塁打――6点差とされた後、5人目を内野ゴロに討ち取った。7回裏も続投し、先頭打者を歩かせたところで、マウンドを降りた。
この2登板で、シュワーバーとの2打席はシングル・ヒットと四球、ターナーとの2打席は内野ゴロと内野安打、ハーパーとの2打席は内野のファウル・フライと内野ゴロだった。マンティプライの球は速くなく、シンカーを中心にゴロを打たせるピッチングを持ち味とする。