現役Jリーガーも寄付。新型コロナと戦う人々にエール送る韓国スポーツ界
新型コロナウイルスの猛威によって世界各国で各種スポーツの延期・中止が相次いでいるが、それは韓国でも同じだ。
2月29日に開幕予定だったプロサッカーのKリーグは開幕無期限延期となり、韓国プロ野球は3月28日に予定していた開幕を4月まで延期することになった。
2月25日から無観客試合を行ってきた男女プロバレーボールのVリーグも3月3日からリーグを中断。男子プロバスケットボールのKBLも、3月1日から28日までリーグの一時中断を決めている。
女子プロバスケのWKBLも3月10日から24日まで一時中断を決定。これにより韓国では「4大プロスポーツ“オールストップ”」「4大プロスポーツ・シャットダウン」との見出しが各メディアで並んだほどで、プロスポーツがない日常に寂しさを抱くファンも少なくない。
そんな中でファンたちを励まし勇気づけているのは、韓国人アスリートたちの寄付リレーだ。
例えばイングランド・プレミアリーグのトッテナムに所属するソン・フンミンは「国際救護開発NGOグッドネイバーズ」と「希望ブリッジ全国災害救護協会」に計2回合計2億ウォンを寄付。
3月からスペイン・リーグのマジョルカの一員となり、久保建英のチームメイトになったキ・ソンヨンも、妻で女優のハン・ヘジンとともに1億ウォンを「国際救護開発NGOワールドビジョン」に寄付している。
ロシア・ワールドカップで韓国代表を率い、現在はインドネア代表を指揮するシン・テヨン監督とベルギーのシント=トロイデンに所属するイ・スンウは、ふたりで合計2億2000万ウォンを「国際保健医療団体スポーツドクターズ」に寄付している。
Jリーグでプレーする韓国人選手も寄付リレーに賛同した。川崎フロンターレの守護神チョン・ソンリョンは「国際救護開発NGOグッドネイバーズ」に3000万ウォンを送ったという。
(参考記事:Jリーグ川崎Fのチョン・ソンリョンが母国に巨額の寄付を行った理由)
野球ではメジャーリーグで活躍するリュ・ヒョンジン(トロント・ブルージェイズ)が「希望ブリッジ全国災害救護協会」に1億ウォン、チュ・シンス(テキサス・レンジャース)は「社会福祉共同募金」に2億ウォンを寄付した。
トルコで活躍する韓国女子バレー界のスーパーエース、キム・ヨンギョンも「希望ブリッジ全国災害救護協会」に5000万ウォンを寄付した。
また、プロゴルフ界では米国ツアーを主戦場とする女子ゴルフのコ・ジニョンや男子ゴルフのペ・サンムンが“寄付リレー”に参加し、そのあとをチェ・ヘジンやキム・デヒョンが続いている。
もちろん、韓国国内で活動するアスリートたちの“寄付リレー”も活発だ。
Kリーグ現役最年長のイ・ドングッ(全北現代)は社会福祉共同募金会「愛の実」にマスク2万枚を寄付し、元アルヴィレックス新潟で現在は全北現代でプレーするキム・ジンスも5000万ウォンを寄付した。
大邱(テグ)FCはチームとして韓国赤十字社に5000万ウォンを預け、大邱FCのMFシン・チャンムは個人でも「希望ブリッジ全国災害救護協会」に1000万ウォンを寄付している。
野球ではウ・ギュミン、ク・ジャウク(サムスン・ライオンズ)、パク・ソクミン、パク・ミヌ(NCダイノス)、ファン・ジェギュン(KTウィズ)、ヤン・ヒョンジョン(KIAタイガース)といった現役選手から、リュ・ジュンイル、ハク・ヨンドクといった監督たちも寄付に賛同。元ソフトバンク・ホークスのイ・デホ(ロッテ・ジャイアンツ)が会長を務める韓国プロ野球選手会も、全国災害救護協会に3000万ウォンを寄付している。
バレー界では安山OK貯蓄銀行ラッシュアンドキャッシュやウリキャピタル・ドリームシックの選手たちは自発的にお金を集めて社会福祉共同募金に2000万ウォンを寄付したという。
さらに言えば、現役引退したスポーツスターたちも“寄付リレー”に参列している。
元韓国代表キャプテンでマンチェスター・ユナイテッドでも活躍したパク・チソンや、現在はテレビタレントとして活躍中のアン・ジョンファン、元野球韓国代表で千葉ロッテや読売ジャイアンツ、オリックス・バファローズでプレーしたイ・スンヨプなども寄付リレーに参列しており、バンクーバー五輪で金メダルに輝いた“フィギュア女王”キム・ヨナは自身のファンたちとともに1億850万ウォンをユニセフ韓国委員会に伝達した。
このように、日本でもその名が知られた往年の名選手から現役のスター選手たちまで、韓国スポーツ界全体が新型コロナウイルスと戦う人々の助けになろうと動いている。
いつもは大衆の声援を励みに奮闘するスポーツアスリートたちが、今度はエールを送る側になって人々を励ます。
「ノブレス・オブリージュ(高貴なる義務)」を実践するスポーツスターたちの行動が、新型コロナウイルスと戦う人々を慰め勇気づけるだけではなく、善行の輪がさらに広がっていくことを期待したい。