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卒業旅行シーズンにドームで8試合 オープン戦日程発表<韓国KBOリーグ>

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
オープン戦を8試合開催のソウル・コチョクスカイドーム(写真:ストライク・ゾーン)

韓国野球委員会(KBO)は29日、今年のオープン戦の日程を発表しました。

⇒ 2019年 韓国プロ野球オープン戦日程表(ストライク・ゾーン)

韓国では「示範競技」と呼ばれるオープン戦。今年は3月12日(火)から20日(水)まで月曜日を除く8日間、全40試合が行われます。

オープン戦の開催時期は日本から韓国へ、多くの人が卒業旅行で訪れる時期と重なります。日本から近い韓国は今も昔の卒業旅行先の上位にランクインし、「初めての海外が韓国」という人も少なくないようです。

日本のオープン戦は2月下旬にキャンプ地・沖縄での開催を皮切りに西から東へと移動。そして天候に左右されないドーム球場でも多くの試合が行われます。

一方、日本より寒い韓国は全球団、3月上旬まで海外でキャンプを実施し、キャンプ地から帰国すると概ね本拠地球場でのみオープン戦を行います。試合開始は一部例外を除き午後1時です。

オープン戦の入場料ですが以前は全試合無料でしたが、近年は平日無料、土日は有料という形がほとんどです。有料の場合でも金額は公式戦の半額、または5,000ウォン(約490円)といった低価格に設定されています。オープン戦の入場料金は例年2月下旬から3月に発表になります。

韓国プロ野球の特徴であるチアリーダーやスピーカーからの音楽を使った応援はオープン戦の場合、土日に限って行う球場もあります。

ステージで盛り上げるチアリーダーと応援団長(写真:ストライク・ゾーン)
ステージで盛り上げるチアリーダーと応援団長(写真:ストライク・ゾーン)

オープン戦の時期ですが、球場によっては新シーズンに向けた改修工事の最終段階に入っているところもあります。今年の場合、韓国を代表する首都・ソウルのチャムシル(蚕室)球場は工事のためオープン戦を行いません。その代替として2軍球場での開催が編成されているのが今年の特徴です。

今年、チャムシル球場でのオープン戦はありませんが、同じソウルにあるコチョク(高尺)スカイドームでは最も多い8試合が予定されています。コチョクスカイドームは韓国唯一のドーム球場でキウムヒーローズの本拠地です。

(参考記事:新球団はネット証券会社 「キウムヒーローズ」誕生。出陣式でユニフォームお披露目

3月のソウルは昨年の平均気温が8.1度(2018年)と外での観戦に適しているとは言えませんが、ドームであれば寒さを避けられます。

コチョクスカイドームは2015年秋に開場。この球場がある場所は、当初アマチュア用屋外球場の予定地で、建設途中にプロが使う屋根付き球場に計画が変わったという珍しい経緯で生まれました。そのため収容人員は17,000人と日本のドーム球場と比べると小規模です。

ボール型のモニュメントが出迎えるコチョクスカイドーム(写真:ストライク・ゾーン)
ボール型のモニュメントが出迎えるコチョクスカイドーム(写真:ストライク・ゾーン)

このドーム球場に関しては「座席間の通路が少ない」といった点などが、普段韓国のプロ野球に興味がない人にも、「海外発のトンデモネタ」として紹介され、広く知られることになりました。ちなみにそれらの問題点の多くはその後の改修により解消されています。

コチョクスカイドームでは公式戦の他、今年11月に東京オリンピックの出場権もかかるプレミア12の予選が開催されます。

今年のKBOリーグのシーズン開幕は3月23日(土)。11月にプレミア12を控えるためこれまでで最も早い開幕です。公式戦は1リーグ制で全10球団が144試合を戦います。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FM那覇)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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