上位を食い、燃えるデトロイト・ピストンズ
ここ数試合のデトロイト・ピストンズは上位チームを相次いで食い、非常に見応えがあった。「ジャイアントキリング」と呼ぶほどでもないが、最下位争いに甘んじているピストンズが、まずは1月25日に同地区の首位であるフィラデルフィア・セブンティシクサーズに119-104で勝利した。
今季のピストンズは開幕から4連敗。25日の時点では3勝13敗と低迷していた。13敗目の相手はシクサーズであり、連敗が予想された。昨シーズンもプレイオフには進出できず、ピストンズは浮上のきっかけを捜しあぐんでいた。
しかし、である。
25日のゲームは試合開始からただの一度もシクサーズにリードされることなく、白星を挙げた。シューティングガードのデロン・ライトが自身のキャリアハイとなる28得点、スモールフォワードのジェラミ・グラントが25得点、ポイントガードのウェイン・エリントンも20得点と気を吐いた。2日前、シクサーズに110-114で惜敗したことを生かした。
ピストンズのドウェイン・ケイシー監督は、試合後「ウチにはレイ・アレンとダーク・ノヴィツキーのような選手がいるんだ」と微笑んだ。
ライトはエリントンについて「俺たちはエリントンにボールを回せばいい。彼は素晴らしいシューターで、チームの攻撃の核だ」と語る。
そして、28日に行われたロスアンジェルス・レイカース戦は、15回もの逆転が生じ、107-92でピストンズがディフェンディングチャンピオンを下した。
今季のピストンズにとって5勝目となった。
この前日、レイカースはシクサーズに1点差で敗れており、選手たちは疲弊していた。"KING"レブロン・ジェームスは、シクサーズ戦で34得点6リバウンド6アシストを記録したが、ピストンズ相手には22得点7リバウンド10アシスト。
ハーフタイムまでに4本の3ポイントを含み20得点したものの、3Qは2得点、4Qは無得点に終わった。
並みの選手なら22得点で合格かもしれないが、KINGにとって前夜からマイナス12は少ない。
レブロンは振り返った。
「立ち上がりは上手く運んでいたので、そのまま終わりたいと考えていた。自分の調子の悪さがチームメイトに影響を与えてしまったかな……。確かにいつもなら決めている筈のシュートを外してしまったね」
僅か1ポイント差で、両チームを通じて最多得点者となったブレイク・グリフィンは、23得点3リバウンド6アシストをマークした。グリフィンは快勝の後、笑顔で言った。
「我がチームは非常にいい状態だ。俺は全員を誇りに思う」
現在、東地区15チーム中14位のピストンズ。現地時間2月1日に予定されていたデンバー・ナゲッツ戦は試合開始の数分前に延期が決定した。ピストンズの選手に新型コロナウイルス接触者追跡調査が必要となり、NBAが定めた健康&安全プロトコルに従った結果である。
そして現地時間2日に行われたユタ・ジャズ戦。15勝5敗で西地区2位のジャズに対し、周囲の予想を覆す金星を挙げられるかが見物であったが、105-117で敗れた。
とはいえ、この日もジェラミ・グラントは27得点し、ジャズに食い下がった。また、ベンチスタートだったシューティングガード、ジョシュ・ジャクソンも22得点を挙げ存在感を見せた。
5勝16敗ながら、大物食いを見せたピストンズの姿に胸を躍らせたファンは少なくない。今後の巻き返しに期待したい。