現地は今:新潟小2女児殺害事件重要参考人は20代の近所の男
■事件は大きく動いた
5月14日。今日、事件(新潟女児殺害事件)は大きく動きました。今日は、某テレビ番組に呼ばれて車で一緒に現場に向う途中でしたが、ちょうど現地についたころ、重要参考人に任意同行がかかったと連絡が入りました。昼に行うはずだったインタビューは延期です。
もちろんまだ容疑者ですらなく参考人ですが、この種の犯罪では最も考えられる「土地勘のある成人男性」が捜査の網にかかったことになります。
各メディアは、この男性のことを、猛烈に調べ始めています。
■犯罪報道
全ての犯罪報道は、何らかの形で、防犯につながらなければ意味はないと思います。
警察の公式発表はなくても、マスコミはすぐに氏名等はつかみます。おそらくすぐに、自宅も関係先も、関連の場所や人にも、取材と報道の嵐が吹き荒れるでしょう。正しく、意義のある報道が行われることを願っています。
■マスコミ
私はマスコミの仕事もします。一部の人が言うように、マスメディアの人達みんなが悪い人のわけがありません。ほとんどの方々は、哀悼の思いを持ち、犯罪を憎む思いを持っています。けれども、そう思っている私でさえ、今回市民の一人として現場上空を飛び回るマスコミのヘリコプターを、いまいましく感じてしまったのも事実です。
一時期、現場近くの路上は、マスコミ関係者の車両がたくさん駐車されていました。今は、すぐに取り締まられてしまいます。それは、単なる迷惑駐車という意味だけではなく、地元の人々の悲しみやイラつきや怒りの表れではないかと感じます。
報道することが悪いわけではありません。報道は必要です。私も報道に関わります。理想的には、地域もマスメディアを活用し、犯人逮捕や被害者保護や今後の人々と地域の癒しの一助にできればよいと思うのですが。現実はそう簡単ではありません。
心あるマスコミ人の中には、取材を通して地域の人々の心が少しでも癒されることを考えてくれる人もいます。今、支援が必要な人や場所があります。マスメディアの方々には、ぜひその人々と全国の人々をつなげる働きをしていただきたいと願っています。
■地元の不安
今回の事件発生直後から、地元は大きな不安に包まれています。被害者の小学校だけではありません。新潟市全体の、学校関係者、子供の関係者が動揺しています。
集団登下校が行われ、朝夕の街角には多くの子供を見守る人達が立っています。事件が発生した新潟市西区だけではなく、新潟市のあちこちで見られます(中学校には集団下校とういったシステムがないため、できるだけみんなで帰りましょうといった指導かと思います)。
いつもならそれほど大きく扱われない「不審者情報」も、各学校でとても迅速に大きく扱われています。ちょっとした不審者情報でも、すぐに緊急の職員ミーティングが開かれ、生徒達に迅速に知らされたりもします。市教委からの指示もあるのでしょう。
ご遺体が置かれたJR越後線に乗っているだけの人でも、不安を語る人がいます。街中で、越後線の電車を見ただけで、事件を思い出します。小さな物音にも、びくっと驚いてしまうような子供もいます。怖くて一人で塾に行けないという子もいます。被害者の小学校だけの話ではありません。
事件発生直後から、「まさか我が家の息子じゃないよね」「まさかうちの生徒や卒業生じゃないよね」「うちの社員じゃないよね」といった話題を、市内あちこちで聞きました。具体的に疑う理由があるわけではなくても、それでも、ただの笑い話のネタでもありません。
自分の子供が新たな被害者になる不安。万が一自分の周りの人が犯人である不安。実際には現実的ではないと頭では考えている人でも、不安がよぎります。
■これから
少しでも早く犯人が逮捕されることを望んでいます。けれども私も含め地域に住む人々の心は動揺しています。全国から注目されれば、色々なことが起きます。
被害者が出たのに、なぜもっと守れなかったのかとクレームが寄せられたりもします。ほとんどは、地元の人ではありません。遠くの人です。延々と文句を言い続ける人もいます。その行為は、関係者の癒しや防犯にどんな役に立つと言うのでしょうか。
関係者はみんな必死に努力しています。そんなときこんなクレームは、人々から元気を奪うだけです。
一つの静かな町で、悲惨な事件の被害者がでました。すぐそばで、とても悲しい形で遺体がみつかりました。さらに、すぐそばで「重要参考人」が出ました。震える思いですが、私達は、町を人々を子供達を、守らなければなりません。犯罪に負けてはならないのです。