右利きと右利きか。右利きと左利きか。右SBにとって歓迎すべき右ウイングとは
長友佑都(ガラタサライ)、南野拓実、奥川雅也(ザルツブルグ)、伊東純也(ヘンク)。今季のチャンピオンズリーグ(CL)に4人出場している日本人選手の中で、先週行われた第3節、最も目を惹くプレーを見せたのはリバプールと対戦した伊東純也だった。
0-1で迎えた前半26分。伊東が右の深い位置から上げたマイナスの折り返しをキャプテンのエンブワナ・サマッタがヘディングシュート。ゴールは決まったかに見えた。しかし、VARとなり、ボールが出た瞬間、リバプールの左サイドバック(SB)、アンドリュー・ロバートソンより、伊東の身体がわずかに出ていたことが判明。ゴールは取り消しになった。
しかし伊東はこの後にも、右のさらに深い位置から今度はグラウンダーで強いマイナスのボールを送球。際どいチャンスを演出した。
リバプール戦は4-4-1-1的な4-4-2の右サイドハーフ。その前のナポリ戦では4-2-3-1の3の右を務めたが、タイプ的には完全な右ウイングだ。
右利きの本格的な右ウイングは世界的に貴重だとは、これまでしばしば述べてきた。左利きの選手が右でプレーする割合がここ10年、15年の間に主流になりつつあると。日本代表で言うならば、主流派は堂安律、久保建英であり、伊東は異端派になると。
その理由について改めて整理してみたい。かつてと現在とサッカーを比較したとき最も異なるのは何か。久しぶりにサッカーを見る人はSBだと言うに違いない。実際、そうした声を多く耳にするが、その位置取りはかつてに比べ格段に高くなった。マイボールに転じれば、守備的MFより高い位置を取ることは、もはや珍しくもなんともない。外で構える中盤選手。縦長のピッチを正面スタンド、あるいはバックスタンドから眺めれば、そう受け取れるはずだ。
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