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熊本地震から4年。「一緒に乗り越えていく」ホークス・サファテ投手が被災地へメッセージ

田尻耕太郎スポーツライター
ソフトバンクのサファテ投手(中央・2020年2月筆者撮影)

 2020年4月14日――2016年の熊本地震で最初に震度7の大きな揺れが発生してから、ちょうど4年の歳月を迎えた。

 プロ野球で九州に唯一本拠地を置く福岡ソフトバンクホークスは「ファイト!九州」のスローガンのもとで熊本・大分地震災害復興支援プロジェクトをすぐさま立ち上げた。球場での募金活動をはじめ、被災地に出向いての支援活動や野球教室などを継続的に行っている。

 工藤公康監督をはじめ、球団の活動以外に個人として支援活動を行う動きも多い。デニス・サファテ投手も熱心に動いた一人だった。

 本拠地でのホークス戦に被災地児童を個人として招待したり、2016年8月には試合のなかった一日を利用して熊本へ出向いて野球教室を行ったりもした。

 サファテはこのように話していた。

「僕は神様に導いてもらい、いろいろなことが出来ている。日本にも神様が連れてきてくれたのだと思っています。数年前、メジャーに戻れる機会もありましたが、自分は日本も福岡も好きだし、チームメイトもこのチームも好きだから残ることに決めました。日本の野球も自分には合っていると思うし、野球人生を終えるときはホークスで、と思っています。そして、神様は『困っている人がいれば助けなさい』と言っています。自分が野球選手だからということではなく、一人の人間として困っている人を助けないといけないと思っています」

 震災から4年が経過し、熊本の復興は着実に進んでいる。被害の大きかった阿蘇地方でも今年度中の道路開通や鉄道復旧のニュースも報じられるようになった。だが、一方ではまだ3000人以上の方々が仮設住宅に取り残されているとも掲載されていた。

これからも一緒に乗り越えていく

 この2020年4月14日。

 サファテに熊本へのメッセージ、今の思いを語ってもらった。

「今でもあの時を思い返すことがあります。自分の言葉がどれだけ力になるかわからないですけど、自分は今でも熊本のことを忘れていませんし、これからも忘れません。まだ皆さんは大変な思いしていると思います。コロナウイルスのこともあると思います。現在、違う災難も降りかかっていると思いますが、時間が経っていろんなものが解決した時『自分たちはこれだけの困難を乗り越えていくことができたんだ』と実感できる日が来ると思います。それが早く来ることを、自分も祈っていますし、これからも自分も一緒に乗り越えて行けたらいいなと思います」

 2020年、人類は新型コロナウイルスという未曽有の敵と戦っている。プロ野球界も例外なく、厳しい状況に追い込まれており、ホークスでは9日間の活動休止を経て現在は制限付きでの自主練習が行われているところだ。

 できることをやる。

 その中でも前向きに。

 ホークスナインとは練習日に数名と、オンライン取材でやりとりを行っている。皆、何も諦めることなく、困難と向き合って、日々をやれる準備を行っている。

 自分たちは困難に打ち勝った――みんなで手を取り合って笑える日は必ずやってくる。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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