【母の日に】コロナで苦しむ母子、父子を救える社会を 絶望に手を出させないために
今日は母の日。
いつも子どもたちをケアしているお母さん、母、ママである女性に感謝する日です。
想像を絶する厳しいひとり親の状況
しかし、このコロナの時代。
ひとり親の母たち父たちは想像を絶する厳しい状況にあります。
今日はその話をお伝えしたいと思います。
「家には1円もない。子どもたちは空腹で水を飲んでしのいでいます」
「パンの耳50円で買って食べています」
「川でノビロ(ノビルの誤記?)を食べて生き延びている厳しい生活です」
「あと2合しか家にお米がありません」
こんな相談や訴えが次々にしんぐるまざあず・ふぉーらむには寄せられいます。
なぜこんなことになるのでしょうか。
預貯金ゼロの人が減収したら
シングルマザーの平均年間収入は200万円。手当を足しても243万円です。
パートアルバイトで働く人が半数近くでその平均年間収入はわずか133万円です。
しかも、預貯金がゼロの人がとても多い。厚労省の調査では50万円以下が49%、わたしたちの新入学お祝い金をもらった人では23%が預貯金ゼロでした。
3月の一斉休校。3月2日~5日の私どものアンケート調査では収入が減る人が43%、収入がなくなる人が5%でした。
4月の緊急事態宣言前の4月2日~5日のしんぐるまざあず・ふぉーらむの調査では収入が減るが48.6%、収入がなくなる人が5.8%いました。
日を追って深刻さは増しています。
一斉休校、緊急事態宣言で、子どもを見てくれる人がいなくて働けなくなった人、職場が飲食・観光・そのほか縮小してしまい、休業となってしまった人たちが多く出たことはわかっています。
しかも、休業補償がない。企業が手続きをしなければもらえません。パートにも休業補償を出す、それは制度としてはそうなりました。
しかし、雇用主が手続きしない限り、それは届きません。
雇用調整助成金もない。企業の手続きがない、あるいは遅れている。
今休んでいるだけなので失業給付も手続きできない。そもそも入っていない。
出費増でさらに窮迫
しかし、アンケートでは子どもの昼食代、教材費(ドリルとか)、光熱費で合計月に1人1万円近く出費増になったということがわかっています。
昼食代は、給食費が戻ってきていると思いますよね。しかし、低所得の世帯が受ける就学援助世帯はもともと個人を経由しないで学校に給食費が納付されていたため、その世帯には給食費が返還されせんでした。
だから毎日毎日、昼食代がかかります。教材もよく売れているそうです。ということは親の負担になっているのです。
減収、失業状態などに加えて出費増。
これは預貯金が少ないの世帯があっという間に困窮する条件をつくりました。
さらに大学生のバイトがなくなり困窮する世帯もあります。
あるいは高校の支払いができなくなる家庭もあります。
激増するメール相談の中身は7割が生活困窮
5月6日までにわたしどもには、194件のメール相談が押し寄せています。(昨年は年間で200件でした)。その7割が生活困窮の相談でした。
「ひもじいのでお米を送ってください」
「子どもが空腹を水でしのいでいます」
そういう相談があると、まずは手持ち金などを確認しつつ、住所、電話番号を聞き、お米や食材をお送りしています。スタッフが心をこめて。
またわたしたちはこれまでに2000世帯を超える世帯にお米、あるいはお米券を送ってきました。
わたしたちは、なんとしても、悲しい、悲惨な事件を起こしてはならないと思い、スタッフが必死に休日返上で取り組んでいるのです。
もういつどこかで悲しい事件が起こってもおかしくないとも思っています。
「ガソリン代もない、食べさせるものもない。もう一家心中しかないのでしょうか」
こうした相談には食料支援をしつつ、緊急小口資金の貸付の手続きをサポートし、給与明細がないならそれに代わる書類を一緒に考え、その書類で受け付けるかを市や県の社会福祉協議会と交渉を一緒にし、申請し、そしてなんとか入金までこぎつけられるように応援しています。あるいはそのほかの支援につなげています。
小口資金の手続きと入金のお知らせが確認できたシングルマザーからこんな声がありました。
「ここに相談してみてよかった。絶望に手を出さなくてよかった。ありがとうございます」
絶望に手を出させないための支援を
いま、わたしたちができること。それは「絶望に手を出させない」ための支援です。
まず政府と自治体がひとり親世帯に向けてできることをお伝えします。
1、ひとり親に給付される児童扶養手当の増額
そして収入減少世帯の児童扶養手当再認定と給付
2、一斉休校による給食費を昼食費援助として就学援助世帯に給付
3、私立高校、公立高校の学費と教材費などの納付猶予と高校等就学支援金、高校等奨学給付金の4月支給の実現
4、オンライン授業実施の場合のパソコンとwifi支援
5、生活保護の基準の緩和(特に自動車保有を半年は認めること)
6、そのほか命をつなぐために必要なこと
まずは、ひとり親世帯に特化した支援として、児童扶養手当の給付の拡充が何としても必要です。
ぜひ第二次補正予算に組み込むことをお願いしたいのです。
また、減収で児童扶養手当がもらえていなかった世帯も今生活がひっぱくしてきています。現在の状況に合わせた支給認定はできないものでしょうか。
給食費を昼食費援助としてやる自治体も増えてきました。これは自治体でぜひ取り組んでいただきたいです。
弁当のクーポンを配る自治体もでてきました(尼崎市)。こうした工夫も必要です。飲食店とのwinwinな関係もいいと思います。
そして私立高校、大学等の授業料の支払い猶予、待ったなしです。
さらに、オンライン授業を始めるときには、低所得世帯への配慮を必ずお願いいたします。
パソコンの支援、wifiの貸し出し支援などがなければ取り残されます。
絶望に手を出させないために、支援団体に寄付を
それからお願いがあります。
これまでもひとり親や母子家庭の支援センターとして委託事業を受けている団体のみなさま
いまそうした団体のがんばりどきです。
あるいはシングルマザーのサポートをする民間支援団体へ
いまこそ、声をきき、支援を拡大するときです。お米を集め、届けてあげてください。
社会のみなさまへ
お米、食品の支援をぜひこうした団体にお願いいたします。
お金寄付をシングルマザーサポート団体に届けてください。
https://www.single-mama.com/topics_council/donation/
絶望に手を出させない、希望をつなげられるのはあなたたちなのです。
今日、123万人のひとり親である母たち、19万人の父たちを絶望させない。
社会で活躍できる支援を
そして最後に。このひとり親の父、母は社会を支えて働いている人たちが大部分です。子どもたちも成長して社会で働くでしょう。
今後、社会は変容を余儀なくしていくのではないでしょうか。コロナはその変化を加速させています。
(わたしたちオンラインママカフェに参加する人が増えています)
さらにオンライン化が進み、テクノロジーが導入され、AI化が進みます。
ひとり親が、あるいは生活苦のすべての人がこうした変化に取り残されることなくキャッチアップして、コロナ後の世界で活躍できるような応援こそが、おなかを満たしたあとにすべきことだと思います。
母や父が元気であれば、自信を取り戻せば、子どもたちにも笑顔が戻ってきます。