最強の毒とは…平安時代の日本に持ち込まれた危険すぎる呪術と陰陽師の関係性
毒蛇や毒グモ、サソリなど、毒を持つありとあらゆる生物を壺に閉じ込めて殺し合わせて、最後まで生き残った生物から毒を生成する「蠱毒(こどく)」はご存知でしょうか。
今回は、最強の毒「蠱毒」と陰陽師の関係性について紹介します。
□蠱毒と陰陽師
古代中国で用いられた呪術の一種「蠱毒」は、主に中国南方民族の間で受け継がれたものです。
蠱毒が日本に伝わったのは、平安時代。当時の日本は貴族が政治の中心を担う、いわゆる貴族社会で、古代中国の政治体制を見本に国家を治めていました。
そのためか、貴族は中国より伝わった占いや呪術に興味津々で、現代の公務員に相当する役所に「陰陽師」と名付けて、彼らに占いや呪術を叩き込んだのです。
陰陽師の中でもトップに君臨するものは、当時の最高権力者「帝」の専属となり、国政を担当しました。
そんな彼ら陰陽師が、人を呪い殺す際に用いたのが「蠱毒」です。
□蠱毒に振り回された陰陽師
古代中国より伝わった蠱毒は、人を殺すために産み出された毒の生成方法です。
強力な毒を持つ生物を壺や箱の中に閉じ込めて殺し合いをさせ、最後に生き残った生物の毒を抽出。その毒で、自身が支える主人に敵対する人物を殺したといわれています。
陰陽師として有名な安倍晴明は、人を殺すような人物ではなかったと歴史書に記載されていますが、蠱毒で殺された同僚の事件で冤罪をかけられたことがありました。
現在公開中の映画「陰陽師0」は、蠱毒による殺人事件の犯人を特定しようと奔走する「安倍晴明」を描いた作品。実際の歴史書に登場する安倍晴明や源博雅など、それぞれのキャラクターの複雑な関係性や感情は見どころです。史実や想像にもとづいて制作された「陰陽師0」を、ぜひ映画館で鑑賞してみてください。