この監督は名将なのか。5チームの監督としてポストシーズン進出は歴代最多だが…
ダスティ・ベイカー監督(ヒューストン・アストロズ)は、異なる5チームの監督として、ポストシーズンに進出している。サンフランシスコ・ジャイアンツ(1997年、2000年、2002年)、シカゴ・カブス(2003年)、シンシナティ・レッズ(2010年、2012~13年)、ワシントン・ナショナルズ(2016~17年)に、ここ2年のアストロズだ。これは、ナ・リーグとア・リーグの球史における最多。昨年、ワイルドカードをゲットし、4チームで並んでいたビリー・マーティンとデービー・ジョンソンを上回った。さらに、今年、異なる5チームの監督として地区優勝とした。
計11度のポストシーズン進出は、ボビー・コックスの16度、ジョー・トーリとトニー・ラルーサ(現シカゴ・ホワイトソックス監督)の15度に次ぐ。1993年に始まったベイカーの監督歴は、2007年、2014~15年、2018~19年にブランクがある。なので、2012年以降のポストシーズン進出は、ブランクを挟みつつ、6年連続(継続中)という見方もできる。また、レギュラーシーズンにあと13勝を挙げると、史上12人目の通算2000勝(レギュラーシーズンのみ)に到達する。
ただ、ベイカーがワールドシリーズで采配を振ったのは、2002年の1度きりだ。この年、アナハイム・エンジェルスと対戦したジャイアンツは、最初の5試合で3勝を挙げ、第6戦は優勝まで6アウトに迫りながら、結局、3勝4敗に終わった。
マーティンとジョンソンは、どちらも1度、ワールドシリーズを制した。監督としてポストシーズン進出7度以上の19人中、ワールドシリーズ優勝がないのは、ベイカーとボブ・メルビン(現オークランド・アスレティックス監督)だけだ。メルビンのポストシーズン進出は、ベイカーより4度少ない。レギュラーシーズン通算2000勝以上の11人は、いずれもワールドシリーズ優勝監督。2019年まで監督を務めていたブルース・ボウチーを除く10人は、殿堂入りしている。ラルーサも、その一人だ。
10月12日、アストロズはホワイトソックスを下し、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ進出を決めた。次の相手は、アレックス・コーラ監督が指揮を執るボストン・レッドソックスだ。