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ホークスに朗報!和田毅「良過ぎるくらい」 “若鷹夏祭り”で実戦復帰へ

田尻耕太郎スポーツライター
打者相手に登板した後、笑顔を見せるソフトバンク和田投手

実戦を強く意識し43球

何の不安もなく左腕を振り抜けた。

充実一杯の笑顔。それが全てを物語っていた。

左肘手術からの復帰を目指している福岡ソフトバンクホークスの和田毅が、5日にHAKWSベースボールパーク筑後で術後初めて打者を相手に投げた。

和田は今季開幕投手を務め、続く4月7日の西武戦では開幕2連勝を飾るなど順調な滑り出しだったが、その後左肘の不調を訴えて戦列を離れた。そして5月22日に手術を受け、復帰まで3カ月を要すると球団から発表されていた。

この日は、リハビリ組のジェンセン、3軍の大本将吾と森山孔介と対峙してまず23球、その後休憩をはさみ20球の計43球を投じた。徐々に本来のキレが戻っていった。延べ4人目の対戦打者となるジェンセンから最初の三振を空振りで奪うと、押し勝つようなファウルも増えていった。20球超でインターバルを置いたのは、実戦のイニングを意識してのこと。対戦は延べ9人、被安打2、奪三振3、与四球1の内容だった。

4月以来も「何の不安もなく投げられた」

シミュレーションゲームに臨んだ和田
シミュレーションゲームに臨んだ和田

暑さのこもる屋内練習場で登板を終えた和田投手は汗だく。ただ、その表情は笑顔で、実に爽やかだった。

「打者に投げたのは試合(4月7日)以来。最初の方は力みもありましたが、何の不安もなく投げられたのが一番よかったです」

球種もひと通り投げて、セットポジションや走者を意識したクイックも試した。マウンドの前に防球ネットも置かず、かなり実戦に近い形のシミュレーションゲームだった。

和田も「ジェニー(ジェンセン)はまだリハビリ組だし、ほかは若い3軍の選手。彼らにパカパカ打たれていてはまだまだ。完璧に抑え込むくらいの気持ちで投げました。3軍の二人はこの後にナイターがあるのに協力してくれた。本当に感謝です」とかなり高い意識を持っての投球だったことを窺わせた。

復帰戦は「40球がメド」

その上で「明日の様子を見てからだけど」としながら、「来週の土曜日には試合で投げる予定です。まずは40球がメドだと思います」と今後のプランを明かした。

手術時は復帰まで3か月と言われており、かなり順調な回復だ。和田も経過の中で「リハビリはずっと良くなることはなかなかなくて、状態の上げ下げを繰り返すもの。だけど、今回はずっと上がっている感じ」と話していた。この日も「良過ぎるくらい。でも、だからこそケアは怠らないようにしないと」と気を引き締めていた。

和田が復帰登板を目指す8月12日はタマホームスタジアム筑後での広島との2軍戦。当日は「若鷹夏祭り」(前日の11日も開催)が開催されており、大いに盛り上がる中での久々のマウンドになりそうだ。

ここも順調にクリアすれば、8月中の一軍復帰の可能性も大いに広がるだろう。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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