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木下優樹菜さん、誹謗中傷の被害を訴える。2年経ってもタピオカ恫喝事件で炎上が続く理由は?

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
誹謗中傷について語る木下優樹菜さん。YouTubeより筆者キャプチャ

 元タレントの木下優樹菜さんが20日、自身のYouTubeチャンネルでタピオカ恫喝事件から2年経ったいまも誹謗中傷の被害が続いていることを動画で明かしました。

「お前の存在が子供にも周りの友達にも迷惑だから消えろ」と毎日届く

 動画は「木下優樹菜が誹謗中傷について思うこと」というタイトルで、木下さんが自身だけではなくSNSを中心に起きている現在の誹謗中傷の状況についての考えを語りました。

 そのなかで木下さんはタピオカ恫喝事件で批判されるようになってから、「もともとああいうの(誹謗中傷)でへこたれるような人間じゃないと自分では思っていた」が、毎日のように「お前の存在が子供にも周りの友達にも迷惑だから消えろ」とのメッセージが届くなか、「ふとした瞬間に『消えたほうがいいのかな』っていうマインドになっちゃう」と、大丈夫と思ってはいても実際は誹謗中傷によるダメージを受けていたことを告白。

 しかし、子供の「また明日ね」という言葉を聞いたり、寝顔を見たりするたびに「ダメだよ、負けんなよ」という気持ちになれ、フジテレビのドラマ『テラスハウス』に出演していた木村花さんが生前「(誹謗中傷について)いちいち気にすんなよ! 負けんなよ!」と言っていた言葉にも救われたそうです。

 ところがその木村さんが誹謗中傷が原因で命を絶ってしまったことから悔しくなり、「いまの流れはおかしい」、「やってること人殺しだよ」、「このままにしていい?」という考えを持つようになったとのこと。

 木下さんは寄せられた誹謗中傷は全部スクリーンショットを撮っており、「タイミングとか時が来たらマジで法的処置(原文まま)するって決めてたから」と、誹謗中傷をしてくるユーザーに対して法的措置を検討している考えを明かしました。

誹謗中傷している人は自分のためにやめるべき

 木下さんへの批判コメントはどこまでが批判で、どこからが誹謗中傷なのかは議論ありそうですが、批判している人は自分のためにももうそのような行為はやめるべきです。

 たしかにタピオカ恫喝事件で木下さんがやったことはひどいことでしたが、その件はすでに裁判で決着がついています。

 それでも木下さんに対して「消えろ」などとのメッセージを送り続ける行為は、木下さんがタピオカ店に対してやったことと変わらないことであり、待っている結果は木下さんと同じ裁判です。

 ちょうど本日29日、タレントの中川翔子さんが誹謗中傷を繰り返してきた加害者のことを語る記事が出ていましたが、正義の気持ちで「これくらいいいだろう」と書き込んで損をするのはあなたです(参考:【独自】脅迫と闘った中川翔子が語る、加害者に“倍返し”のリアル〈dot.〉)。

 木下さんのことにこだわるよりも、もっと楽しいYouTubeの使い方をした方が良いです。

タピオカ恫喝事件について語るたびに炎上する

 ただ、私としては木下さん側(とくにYouTubeチャンネルのディレクター)にも言いたいことがあります。

 それは、タピオカ恫喝事件について動画で語るのはもうやめた方がいいということです。これを語るたびに炎上しています。

 炎上する理由は「自分たちも悪かったけど、相手も悪かった」と、タピオカ店側を批判するからです。

 もちろん木下さんが以前した告白どおりであれば、タピオカ店側にも問題はあったとは思います。しかし、世間の認識は「司法は木下さん側が悪いとの判決を下した」です。

 そういう状況で「いや、タピオカ店側にも問題あったんです」と一方的に発信するのは「まだ反省していない」と反感を買ってしまいます。

 さらに言えば、12月16日に公開された「タピオカ事件についてお話しします」動画のなかで「タピオカ店側から(姉に)給料が支払われなかった(遅配があった)」と触れていましたが、木下さんがInstagramでタピオカ店側を批判するメッセージを投稿した10月6日にはすでに支払い済みだったのは報道や判決文からわかっている事実です。

給料の支払いについての簡単なまとめ

  • タピオカ店の給料は25日締め末払い
  • 7月、9月分の給料は期日までに支払い済み
  • 8月分は期日までに支払われていなかった
  • タピオカ店側は期日の3日後の9月3日に木下さんの姉に受け取りにくるよう連絡
  • 木下さんの姉が受け取りにこなかったため、9月末に支払い済み
  • 木下さんの姉の求めにより、タピオカ店側は9月30日に給料明細を送ることを約束
  • 10月6日までに給料明細は郵送済み
  • 10月6日、木下さんがInstagramで「タピオカ店が給料を払っていない」と批判

 この流れが判明しているなかで、いまもタピオカ店側の給料遅配のことを持ち出すのはかなりスジが悪いと言わざるを得ません。

 なぜなら、木下さんは解決済みのことを持ち出してタピオカ店側を批判しているからです。判決でも「その点を十分に確認せずに本件投稿をしたという点において、その責任を軽く見ることはできない」と指摘されています。

 タピオカ恫喝事件のことから木下さんを批判している人のなかには、この件について知らない人も、知っている人もいます。

 そして知っている人から見ると、自分のことを棚に上げるようなかたちであのように「タピオカ店側も問題があった」とのメッセージを発信されると、「自分の都合の良いように説明している!」と怒りの気持ちが湧いてきてしまいます。

 そして、知っている人が怒っている理由を見た知らない人は、そこで(その人にとっては)初めての事実を知ったことでまた怒ってしまうのです。これがずっとループします。

 炎上事件の情報を取り扱っているため話題になるたび木下さんのチャンネルを見ていますが、コアなファンの方々が応援してくださっていることは木下さん自身も数字からわかっているはずです。

 世間一般では木下優樹菜チャンネルは低評価数の多いチャンネルという認識でしょうが、じつは動画の公開時には圧倒的に高評価数の方が上回っているのです。

公開直後は圧倒的高評価。YouTubeより筆者キャプチャ
公開直後は圧倒的高評価。YouTubeより筆者キャプチャ

 低評価は、あとからつけられています。

 木下さんは、公開時に高評価をつけにきてくれるファンの方々のために動画を作られるのが一番良いと思います。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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