「ほぞを噛む」の”ほぞ”って何?-意外と知らない?体に関する慣用句・3選
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お読みくださってありがとうございます!日本語教師の高橋亜理香です。
「聞いたことある!」「意味は知ってる!」「よく使う!」
でもその語源はよく知らない、考えたこともなかった…そんな慣用句、みなさんにもひとつぐらいあるのでは?
今日は、実は「体に関することば」が語源の慣用句をレベル別で3つ集めてみました。
3つの慣用句は体のどこを示しているのか、すべてわかるでしょうか?みなさんもぜひお試しを!
レベル1:「あばたもえくぼ」の”あばた”とは?
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まずは、こちら。
あばたも えくぼ
「好きな相手のことは、例えそれが欠点であろうとよく見えてしまうものだ」という「恋は盲目」的な意味を持つ慣用句です。
「えくぼ」は笑ったときに口元や頬にできるくぼみのことですよね。漢字では「笑窪」と書きます。芸能人などでもえくぼがトレードマークの人がいますし、「かわいい」と言われることの多い体の特徴です。
では、「あばた」とは何でしょう??30~40代以上の人ならわかる人が多いかもしれません。
「あばた」というのは…
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「あばた」=「発疹の痕」
を表すことばです!
「あばた」とは漢字で「痘痕」と表記し、紀元前から近現代まで世界中で猛威をふるい「死の病」と恐れられていた「天然痘」という疫病が原因です。致死率が非常に高いうえに、運良く治癒した場合でも顔に水疱の醜い痕が残るため、忌み嫌われたものでした。フランスのルイ15世やロシアの皇帝ピョートル2世などの世界中の著名な人物も天然痘の病魔に倒れたことで有名です。日本では江戸時代、発疹の痕の醜さから「美目定めの病」と言われたほど。
つまり、外見的なウイークポイントの代表ということになるのです。
天然痘については既に1980年にWHOから根絶宣言が発表されたため、世代の若い人たちは歴史などで勉強しないと知らない人が多いかもしれません。
「あばたもえくぼ」とは、そんな外見のウイークポイントでも、好きな人なら「かわいいえくぼ」のように見えてしまう という意味の慣用句なのです。
レベル2:「きびすを返す」の”きびす”とは?
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次は「今来た道を引き返す、逆戻りする」という意味を持つ慣用句
きびすを返す
比較的、日常よく使われる慣用句のひとつかと思います。
では、この「きびす」とは何を表すでしょうか?
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「きびす」=「かかと」
のことなのです!
漢字では「踵」と表記します。漢字を見れば、なるほど!と思いますよね。
「かかとの向く方向を元に戻す」ということで、「引き返す」という意味になるのですね。わかれば納得できる単純明快な慣用句ですね。
ちなみに「きびすを巡らす」という慣用句も、「きびすを返す」と同じ意味です。
また、同じ「踵」を使ったその他の慣用句には「踵(くびす/きびす)を接する」というものもあります。
こちらは「かかとがくっつくぐらい、人々が次々とやって来る」という意味や「次々と間を置かずにものごとが起こる」という意味を表します。
レベル3:「ほぞを噛む」の”ほぞ”とは?
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3つ目は、
ほぞを噛む
「どうにもならないことを後悔する」という意味を持つこの慣用句。
「ほぞ」とは一体何を表すのでしょうか??
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「ほぞ」=「おへそ」
なのです!
こちらも、漢字では「臍」と書き表しますから、漢字で表記するとわかりやすくなりますね。
「あばたもえくぼ」や「きびすを返す」に比べると使用頻度は低い慣用句なので、そもそも慣用句自体を知らなかったという人もいるかもしれません。
「ほぞを噛む」というのは「臍(へそ)を噛む」ということ。
自分の臍は自分で噛むことはできませんから、「どうにもならないこと」という意味になります。それを悔やむ、もどかしさを表す表現なのです。
また「臍(ほぞ)」を使ったその他の慣用句には「臍(ほぞ)を固める」「臍(ほぞ)を決める」などもあります。どちらも「覚悟を決める」という意味です。
体に関する慣用句はまだまだ多い!
体に関する慣用句3選、みなさんはいくつ知っていましたか?「目」「顔」など直接的なことばを使った表現以外にも、「実は体の一部を表している」という表現は数多くあるのです。
意味がわからず気になるものは、せっかくですからどんどん調べてみてください!
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