豊島将之九段、阿久津主税八段に勝って棋王戦ベスト8進出! 次戦は藤井聡太竜王!
9月10日。大阪・関西将棋会館において、第48期棋王戦コナミグループ杯・挑戦者決定トーナメント3回戦▲豊島将之九段(32歳)-△阿久津主税八段(40歳)戦がおこなわれました。
各棋戦で常に上位で活躍している豊島九段。しかし棋王戦では前期で初めてベスト4に進んだのが最高で、これまで挑戦の経験はありません。今期はシードで3回戦からの登場となります。
阿久津八段は今期、屋敷伸之九段、里見香奈女流五冠に勝って3回戦進出。里見戦は大変注目されました。
本局は豊島九段先手で10時、対局開始。戦型は相居飛車の力戦となりました。豊島九段が歩得をする一方、阿久津八段は手得をいかし中段に銀を進めていきます。
序盤の早い段階で大決戦に入る変化も含みにしつつ、両者は駒組を進めていきました。そして組み上がったところでは、豊島九段が作戦勝ちを収めます。
豊島九段は交換していた角を自陣の要所に打ち据え、万全の態勢で動いていきました。駒がぶつかってからは、一気に駒の取り合いに。豊島九段は正確な速度計算のもとに落ち着いてと金を寄せ、一手勝ちを目指します。
最後は豊島玉に詰みがなく、阿久津玉はほぼ受けなし。豊島玉に王手は続く形ですが、阿久津八段は攻防ともに見込みなしと見て、潔く投了しました。終局時間は18時48分。総手数は95手でした。
豊島九段と阿久津八段の通算対戦成績はこれで豊島6勝、阿久津6勝。最初は圧倒されていた豊島九段が追いつく形となりました。
豊島九段はこれで棋王戦ベスト8に進出しました。
4回戦の組み合わせは以下の通りです。
佐藤天彦九段ー糸谷哲郎八段
藤井聡太竜王ー豊島将之九段
羽生善治九段ー広瀬章人八段(9月14日)
増田康宏六段ー伊藤 匠五段(9月12日)
つい先日まで王位戦七番勝負を戦っていた藤井五冠(竜王・王位・叡王・王将・棋聖)と豊島九段。こちら棋王戦でもぶつかることになりました。両者にとっては早くも30局目となる公式戦対局。今期棋王戦本戦トーナメントにおいて、白眉の一局となるかもしれません。