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【前橋市】「これが本当のゴスペルだ!」ゴスペルのメッセージを教会で味わおう。群馬はゴスペルの聖地!?

高井透ライター(前橋市)

群馬はゴスペルの聖地!?

ゴスペル・ミュージック。

今や世界中で親しまれていることはご存じの通りです。

実は意外かもしれませんが「群馬はゴスペルの聖地」と呼ぶ人もいるほど、数多くのゴスペルクワイヤーが活動している地域なんです。

「群馬の“G”はゴスペルの“G” だ」とまで言われているそうで、それぞれ特色のあるゴスペルクワイヤーが様々なイベントで素敵なゴスペルを披露してくれています。

というわけで、ゴスペルと言えば教会、教会と言えばクリスマスですが、

「それまで待てない!」という人に、ここで朗報です。

11月30日(土)、群馬を代表するゴスペルクワイヤーの一つである

「ゴスペル星組」のライブコンサートが前橋で開かれるというのです!

さっそく練習にお邪魔してお話をうかがってきました!!

ゴスペル星組とは

ゴスペル星組は2001年、前橋市城東町にある「シャロンゴスペルチャーチ」で誕生しました。その後はお隣の吉岡町、そして渋川市の「ユアチャーチ・ゴスペルハウス」へと拠点を移しましたが、20年以上の歴史があり、現在も県内外でライブ活動を行っています。

その魅力は、何といっても「ゴスペルクワイヤーのあるべき姿」を求めているということ。

ゴスペルとは何なのか、ゴスペルが持つメッセージを解き明かすため、高らかに歌い上げます。

さて、お待たせしました(汗)。土曜の夜、練習を行っている部屋に足を踏み入れると中は熱気ムンムン!

夜の寒さが堪える季節になったというのに、ここだけは夏のようです。

リーダーの指導のもと、メンバーの一人ひとりが真剣に、そして楽しそうに歌っています。歌いっぱなしで疲れているはずなのに皆さん笑顔です。

……やはり、すばらしい。取材に来てよかった。得した気分です。こちらまで笑顔になります。

ゴスペル星組の練習風景
ゴスペル星組の練習風景

練習中は真剣さの中に笑顔が
練習中は真剣さの中に笑顔が

「ゴスペルはラブソングでもダンスミュージックでもないから」

練習後、女性が多いゴスペル星組の中で、数少ない男性メンバーである

KAZUKIさん(前橋市在住)にお話をうかがいました。

KAZUKIさんは共愛学園高校を卒業後、東京の武蔵野音楽大学で声楽を学び、前橋に帰って来てからゴスペル星組に参加したそうです。

メンバーのKAZUKIさん
メンバーのKAZUKIさん

「大学ではオペラやクラシックを中心に学びましたが、そのどれとも違うゴスペルには別の楽しさがあります。ゴスペルはもちろん男女のラブソングでもなければ流行りのダンスミュージックでもありません。歌うときにはテクニックも大切ですが、ゴスペルならではの思いを込めて歌っています」

なるほど。数少ない男性メンバーとしてはどうですか?

「自分の声はバリトンで、男性の中でも低いほうです。だから女性の中で余計に目立っちゃうかもしれません。活動は星組としてだけではなく、結婚式などでソロで歌わせていただくこともあります。歌わせていただく場があればどこでも行きますのでお声がけください!」

ゴスペルの意味とは?

ゴスペルと聞くとどんなイメージを持たれるでしょうか?

「アカペラでハーモニーが心地よい音楽」

「黒人の人たちが歌う渋いバラード調の音楽」

「アメリカの教会で歌うノリの良い音楽」

確かに、どれも間違いではありません。日本にもすっかり定着していますから

「ゴスペル、好き! カッコいいよね」

そんな人も多いのではと思います。

ゴスペル(Gospel)がアメリカ発祥の音楽であるということに間違いはありません。

そしてその意味は「god spel」。文字通り「神の言葉」です。

さらに遡ると「good spel」という古い英語からきているようです。これは「良い知らせ」という意味になります。

その「良い知らせ」とは、すなわち「神の言葉」。聖書の中に出てくるキリストの「福音(ふくいん)」と呼ばれる言葉を指すのですね。

ですから、ゴスペルと教会は切っても切れない関係があるというわけです。

しかし、ゴスペルが誕生したきっかけは黒人、つまりアフリカ系の人々にとってとても「良い知らせ」と言えるようなものではなかったようです。

ゴスペルには深~い歴史があった

調べてみると、時は17世紀頃のアメリカ。当時、アメリカではアフリカ大陸から大勢の人々が連行され、その人たちは奴隷として農園などで強制的に働かされていました。

(私もこの辺はなんとなく世界史の授業で習ったことを覚えていますが)

アフリカから連行されて来た人々は、それまでの自分たちの生活様式や文化、宗教がすべて剥奪され、アメリカ式の生活を強いられました。

自由はなく、夢も希望もない過酷な生活。彼らにしてみれば、好きでもないアメリカ式の生活を無理やり教え込まれる毎日の中で、必然的に聖書と出会ったということになります。

やがてキリストを信じるアフリカ系の人たちは増えていき、自分たちが置かれた現状、苦しみや悲しみが聖書に出てくるキリストの言葉に慰められ、励まされ、絶望が希望に変わっていった……その時に彼らが神のためにささげた歌こそ、ゴスペルの起源なのです。

今回のコンサートのキャッチコピーには

「これがGOSPEL これがBIBLE」とあります。

あるべき姿のゴスペルコンサート、楽しみしかありません!

入場料は? 「支払う」のではなく「ささげる」

気になる入場料ですが、全席自由で、なんと無料!

代わりに、というわけではありませんが「献金」という教会ならではの方法を採るようです。

「献金」とは金額が決まっているわけではなく、コンサートを観て、聴いて、楽しんだ後にお客様のお気持ちでお支払いいただくやり方です。

教会では「支払う」ではなく、「献げる(ささげる)」と言います。五百円でも千円でも二千円でも、一万円でも……。「今月お金が厳しい」という人は0円でも構わないんです。

会場は群馬大学附属病院近くにある「日本バプテスト前橋教会」というキリスト教会。昨年に続いて二回目の開催です。

今まで教会に入ったことがないという人、この機会に教会初体験してみるのもいいかもしれませんね!

昨年のLIVEコンサートの様子
昨年のLIVEコンサートの様子

会場の「日本バプテスト前橋教会」
会場の「日本バプテスト前橋教会」

ゴスペル星組withトリニティーLIVEコンサート

日時:2024年11月30日(土)13:30開場 14:00開演

会場:日本バプテスト前橋教会(前橋市昭和町3-12-6)

駐車場:あり(詰込駐車となります)

お問合せ:びぶりか企画 

メール biblicakikaku@gmail.com

ライター(前橋市)

前橋在住のおじさんライター。ブックライティングを中心に出版アドバイス、WEBライティングをしています。他には自分史講座の講師も少々。「水と緑と詩(うた)のまちまえばし」の魅力をどんどん発信していきます!

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