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元世界王者の息子がデビュー戦を白星で飾る

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C)Amanda Westcott/SHOWTIME

 2021年の全米ゴールデングローブ王者、ジオバンニ・マルケスがウエルター級でプロデビューを飾った。2勝0敗のドミニカン、ネルソン・モラレスを相手に4ラウンドを戦い、40-36、40-36、40-36と3-0の判定で勝ち星を挙げた。

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 マルケスはジャブ、アッパーを効果的に浴びせポイントを稼いだ。モラレスより手数もクリーンヒットも多く、速い動きを見せる。マルケスは280のパンチを出し、30%にあたる85発をヒット。モラレスのそれは201分の42で、20.8%であった。

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 トレーナーを務める元IBFスーパーウエルター級王者の実父、ラウル・マルケスが終始、息子に寄り添う姿が印象的だった。

 父は言った。

 「21歳の息子は他のファイターのデビュー戦よりも注目されていたよね。プレッシャーも感じていただろう。それを上手く乗り越えた。彼を誇りに思うし、私自身も満足だよ」

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 ジオバンニも試合後に語った。

 「試合開始直後はスロースタートになってしまいました。が、その後は自分のボクシングがやれたように感じます。ヘッドギア無しのファイトも問題ありません。第2ラウンドにジャブを打った際、左の拳を痛めてしまってKOを逃したのですが、ケガが無ければ仕留めていたと思います。

 ペースを握っていたのは僕ですが、モラレスはタフで、耐久力がありました。打ち合いましたが、僕にダメージはありません。カメラに囲まれ、関心を得るっていいことですね。かなりのプレッシャーを感じ、ちょっとナーバスになった部分もありますが、素晴らしい経験になりましたよ」

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 ジオバンニはどこまで成長するか。親子の戦いは始まったばかりだ。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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