Yahoo!ニュース

ロッベンとファンペルシ。バロンドール候補2人を抱えるオランダの2014年版3−4−3

杉山茂樹スポーツライター

オランダ代表のファンハールと言えば、「中盤ダイヤモンド型」3−4−3を武器に、欧州一に輝いた監督として知られている。94〜95シーズン、アヤックスを率いてチャンピオンズリーグ優勝。翌シーズンも決勝に進出を果たし、ユベントスに1−1延長、PK戦で敗れたが、そのサッカーは、少なくとも僕にとってCL史上、最も印象に残るサッカーになっている。斬新で画期的。その快進撃は、痛快劇そのものだった。

その時、ファンハールを訪ねれば、この3−4−3のメリットについて余すところなく説明してくれた。パスコース、すなわち三角形を、どの布陣より多く描き出すことができる。彼はそこのところを力説した。

この中盤ダイヤモンド型の3−4−3は、4−3−3と並ぶオランダの伝統的な布陣だ。チャンピオンズカップで3連覇を飾ったアヤックス(70〜73)時代にも使われていたことから、俗にアヤックススタイルとも言われる。

オランダのサッカー文化そのものと言っていい。後に2002年日韓共催W杯で韓国代表の監督としてこの布陣を用い、ベスト4入りしたヒディンクは「私は、オランダのサッカー文化を韓国に宣伝に来たんだ」と語った。

だが、今回のオランダ代表が使用する布陣は、オランダ伝統の3−4−3とは異なる3−4−3だ。「中盤ダイヤモンド型」ではない「中盤フラット型」の3−4−3。

3−4−3の4の左で構えるブリントを4バックのサイドバックと見なせば、4−3−3にも見える変則型なのだが、中盤ダイヤモンド型に拘ったかつてのファンハールとは、趣の異なるスタイルであることは事実だ。

この記事は有料です。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバーをお申し込みください。

たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバー 2014年7月

税込550(記事5本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

杉山茂樹の最近の記事