務安国際空港の旅客機事故で韓国から日本へのゴルフ旅行者にも影響?
日本から韓国旅行に行ったことがある人も多いだろうが、29日に韓国の務安(ムアン)国際空港で発生した済州(チェジュ)航空の事故に衝撃を受けた人は多かったはずだ。搭乗していた181人中、179人が死亡するという、韓国最大の航空事故となった。
日本から韓国に行く場合、金浦国際空港と仁川国際空港を利用する人がほとんどで、務安国際空港の名を聞いたことがある人は少ないかもしれない。
場所は全羅南道(チョルラナムド)・務安郡にある地方の国際空港で、近隣住民の多くが海外に出るときに利用するという。ちなみに務安の近くには光州(クァンジュ)空港も存在するが、国内線しか飛んでいない。
それでも務安は韓国にある15の空港の中で、利用客が少ないことでも有名で、2022年は1日平均の利用者は約100人で、「滑走路で唐辛子を乾かす空港」とも言われていたという。
しかしコロナ禍を乗り越えて、昨年からは国際線の定期便が再スタート。日本(長崎)のほかにも、中国、タイ(バンコク)、台湾(台北)ベトナムなどにも行くことができ、2024年12月2日からはは成田・関西国際空港との直行便が就航。9カ国18路線の運営で利用客は年々増え続け、今年10月までの利用客は28万人を超えたという。
搭乗者はタイ・バンコクへの3泊5日の旅行パック利用
韓国にはゴルフ好きが多いことでも知られている。しかし、国内のゴルフ場の料金が高いことでも有名。1回のプレー費用は平日で2~3万円が普通で、週末になるとさらに高く4~5万円はする。若者が気軽に支払える費用でない。
同じ金額を支払うならば、日本やタイなどでゴルフをしたほうが安くつくということで、韓国の旅行会社が「ゴルフ旅行パック」を用意しているところも多く、実際に利用する人も少なくない。
今回、事故にあった済州航空の乗客が利用した旅行商品は、3泊5日の旅行パッケージ利用者だったことも分かった。「アジア経済」は「25日の務安空港から出発した当該の旅行商品の日程表を見ると▲1日目:バンコク·スワンナプーム国際空港到着後、ホテルにチェックイン▲2~3日目:午前に朝食後、ゴルフ場に移動 18ホールラウンド▲4日目:18ホールラウンド後、チャオプラヤ川での船上ディナー及びアジアティーク訪問▲5日目:スワンナプーム空港で個別手続き後、航空機搭乗―務安空港到着となっている。宿泊と全日程の食事、18ホールのラウンドを含めた該当商品の販売価格は139万ウォン(14万9000円)だった。該当旅行商品の旅行客募集を行ったところは旅行会社2社と分かった」と報じている。
家族単位での旅行者がほとんどで、男性はゴルフ、女性はマッサージ、子どもはクリスマスを過ごすなどのプランが計画されていたという。
日本へのゴルフ旅行者への影響も?
ゴルフに関して言えば、韓国は冬になるとクローズするゴルフ場が多い。そのためアマチュアゴルファーは温暖のタイのほか、円安の影響もあり日本のゴルフ場の中でも、特に九州地方のゴルフ場が人気とも聞く。そのため、今回の事故でパッケージを組む旅行会社だけでなく、韓国から日本行きの済州航空の利用者が減るなどで、韓国のアマチュアゴルファーがたくさん訪れている日本のゴルフ場にも、少なからず影響が出てくるのかもしれない。
韓国メディアは事故後、約24時間で済州航空の航空券予約のキャンセルが約6万8000件にのぼったとも伝えている。
それにしても他人事と思えない痛ましい惨事。韓国では年末年始の様々なイベントや放送などの中止も決まり、来年1月4日までの1週間を「国家哀悼期間」と決めている。