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え!来季韓国女子ゴルフツアーは5試合も消滅!?“非常戒厳”による政局不安の影響と不景気が要因か

金明昱スポーツライター
日本ツアーに推薦出場したユ・ヒョンジュも建設会社の所属(写真・KLPGA)

 衝撃のニュースが韓国ゴルフ界から飛び込んできた。来季の韓国女子プロゴルフ(KLPGA)ツアーの日程はまだ発表されていないが、経済紙「ヘラルド経済」が多くの大会が消滅すると報じたのだ。

 記事は「来年のKLPGAツアーはすでに5大会が取り消しになったという。最近、大会開催をしないと公式発表した『ハンファクラシック』を筆頭に、『ハナ金融グループ シンガポール女子オープン』、『キョチョンレディスオープン』、『セルトリオンクイーンズマスターズ』、『SKテレコム-SKシールダスチャンピオンシップ』が、来年から大会開催しないことをKLPGAに伝えたという。ここに『メッコール・モナ龍平オープン』、『OK貯蓄銀行ウッメンオープン』も大会を継続すべきか悩んでいるという」と伝えている。

 5大会の消滅のみならず、さらに2大会がなくなるかもしれないというが、これがもし本当ならば由々しき事態だ。近年、これだけ一気に大会が消滅したことはなく、背景には共通した理由があるからだろう。

 考えられる大きな理由の一つが、トーナメント開催にかかる莫大な費用の捻出が難しくなったこと。つまり、経済成長が停滞し、不景気が続いていると見ることができる。

選手スポンサーの多くの建設会社が打撃を受ける?

 最近では、日本の1人当たりのGDP(国内総生産)が、OECD(経済協力開発機構)加盟38カ国中22位となり、21位の韓国を下回ったと“比較”報道されていたが、韓国は日本を上回ったとはいえ、それでも“不景気”だという。

 同紙は韓国経済の不景気について指摘し、「非常戒厳による尹錫悦(ユンソンニョル)大統領への弾劾決議案が国会で可決されるなどの影響で、韓国経済が深刻な危機に陥っているのが最も大きな原因だ。特にKLPGAの場合、選手のスポンサーのほとんどを占める建設関連企業が打撃を受け、体感的にも景気はさらに冷え込むと予想される」と報じている。

 実際、賞金ランキング上位の選手たちの所属先を見ていると、同2位のパク・ヒョンギョン、同3位のパク・ジヨン、「韓国土地信託」、同5位のキム・スジは「東部建設」、同8位のノ・スンヒは「ヨジン建設産業」といった企業が並ぶ。ほかにも米ツアーを主戦場にするイ・ジョンウン6が「テバン建設」、日本ツアーに推薦出場したこともあるユ・ヒョンジュも「斗山建設」といった大手企業から支援を受けている。

国内試合数が減ると選手は次々と海外ツアーに出る?

 昨年は「斗山建設Weveチャンピオンシップ」、「テボハウスDオープン」、「東部建設・韓国土地信託チャンピンシップ」という建設会社が冠のトーナメントも開催されているが、所属選手のほかに来季の日程に影響が出るかもしれない。

 かりに相当数の試合が減れば、選手たちは稼ぐ場所がなくなるため、次々と海外ツアーに出ていくという現象も起こりかねない。

 ここ数年の韓国女子ツアーは試合数や賞金額の増加で、「国内で安泰」と考える選手も多いようだが、政局の不安定さがトーナメント開催や選手のスポンサードに与える影響は少なくない。韓国ツアーの来季日程の発表はまだ先だが注視したい。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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