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竹島での韓国の軍事訓練が非公開なのは日本への配慮? 「配慮」ならば、延期もしくは中止してしかるべき!

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
2019年8月の韓国の「独島防御訓練」(韓国国防部のHPから)

 韓国軍が先週、竹島(韓国名:独島)で恒例の「独島防御訓練」(別称:「東海(日本海)領土守護訓練)を実施していたことがわかった。

 韓国の「聯合ニュース」が昨日、軍の消息筋の話として伝えたところによると、訓練は海軍と海上警察の艦船と空軍の「空中戦力」」が投入されていた。しかし、真偽は不明だが、竹島には上陸しなかったとされている。これまでは海兵隊員がUH-60ヘリに乗って竹島に上陸する本番さながらの訓練が行われていた。

(参考資料:「いつの日かやって来る!」自衛隊の「竹島奪還シナリオ」に備える韓国)

 今回、訓練が事前予告されず、非公開で行われたことについて日本では「日本への刺激を避けるため配慮したとみられる」と伝えられているが、1986年から実施されている韓国の「独島防御訓練」は8年前からは毎年2回、上・下半期に分けて行われており、下半期の訓練は毎年12月に実施されているので予告せずとも予想されていたことである。

 事前予告せず、非公開にしたのは日本を不必要に刺激するのは得策ではないとの判断からであって「配慮」でもなんでもない。非公開にしようが、日本政府がこの問題で寛大であるはずはなく、厳に日本は韓国に対して「(竹島防衛訓練を)到底受け入れることができず、非常に遺憾である」と抗議している。

 そもそも訓練の非公開は異例なことでもなく、今回が初めてではない。昨年12月の訓練も非公開だった。今回同様に事前予告せず、伏せられていた。正確に言えば、「コロナ」感染のどさくさに紛れてこっそりやったと言っても過言ではない。事前に洩れれば、日本政府が反発し、中止を求めてくるからだ。この時も、マスメディアにキャッチされるまで3週間近く表沙汰にはならなかった。

 日本に配慮する気があるならば、訓練そのものを延期、もしくは中止してしかるべきだ。訓練は慣例となっているが、米韓合同軍事演習同様に政治判断でいくらでも中止は可能だ。

 例えば、一昨年上半期(6月)の訓練は文在寅(ムン・ジェイン)大統領の大阪での「G20サミット」(6月28日)出席のため中止していた。安倍晋三首相(当時)との首脳会談を実現させ、「元徴用工問題」でこじれた日韓関係の修復を目指していたからだ

 結局、首脳会談が不発に終わり、日本政府が輸出厳格化措置に続いて韓国をホワイト国から除外したことに反発し、韓国軍は2か月遅れの8月に訓練を強行したが、文政権が一時的にせよ軍事訓練を棚上げにしていたことは紛れもない事実である。

 実際に、この年の下半期(12月)の訓練はGSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)の破棄問題が11月22日に決着が付き、また韓国がWTO(世界貿易機関)への提訴を撤回し、それに応える形で日本が輸出厳格化問題で12月中旬に東京での交渉に応じることで合意したことから韓国は取り止めていた。

 日本への配慮とは無関係であるもう一つの理由は今回の訓練が金昌龍(キム・チャンリョン)警察庁長官の竹島上陸(11月16日)への日本の抗議を完全に無視して行われていることである。

 周知のように金警察庁長官の竹島上陸に日本政府は猛抗議し、抗議の意思表示として同じ頃ワシントンで行われていた日米韓外務次官会談後の共同記者会見を拒否する異例の措置を取ったことは周知の事実である。このことをきっかけに自民党内では対抗措置を検討する作業チームを新たに設置し、今後韓国が「挑発」すれば、韓国に対する制裁措置などを検討している。

 今回の韓国の訓練は金警察庁長官の竹島上陸から1か月もしない間に実施されていることは日本の抗議を意に介していないことを表している。配慮ではなく、領土問題では絶対に譲らないとする「強硬な姿勢」を示したことに他ならない。

(参考資料:韓国与野党大統領候補が竹島に上陸する可能性は!?)

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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