【京都市下京区】商店街にある店名を教えてくれない鶏肉店の京風出し巻きが美味すぎる! 七条通が面白い
今、七条通が面白いということで、今度は西大路七条から東へ向かって歩いてみました。交差点のすぐ東側にあったのは、「御菓子司きねや老舗」です。昭和16年創業以来、初代奥村孫市から現在の3代目佳介さんに至るまで、昔ながらの製餡を今でも続けておられます。
まさに街の饅頭屋さんです。自家製餡で作った「あんぱん饅頭」が、大きさもパンの固さもあんぱんと饅頭のいいところ取りのちょうどいい感じで美味しい。
和菓子では、定番のうぐいす餅や道明寺桜餅、堀川ごぼうチップスや水尾の柚子カステラ、松露、南京といった珍しいお菓子もあります。
「御菓子司きねや老舗」(外部リンク)京都市下京区西七条南西野町2−2 075-313-5561
西七繁栄会のルーツは、平安京の朱雀大路を中央に左京と右京に配置された官営市場の「東市・西市」のうち「西市(にしのいち)」を起源としています。そんな由緒ある商店街のなかにあるのが、「七条えんま堂」です。近年の調査で鎌倉時代や室町時代の古い十王像がすべて揃っていることが分かりました。
このえんま堂に祀られている閻魔様始め十王とは、実は冥界で生前における罪を裁断する十人の裁判官のことです。秦広王が初七日、初江王が14日目、宋帝王は21日目、五官王は28日目、有名な閻魔王は実は35日目の裁判官です。変成王が42日目、泰山王は49日目、平等王が100か日、都市王が1周忌、五道転輪王が3回忌において裁決をするとされています。49日や100か日法要はそれぞれの区切りで没した人の成仏を願うところから来ています。
さらに西に続く七条中央サービス会は、アーケードのある昔ながらの商店街です。京野菜・北尾商店では、店頭の段ボールに山盛りのくだものがありました。この感じいいなあ。有田ミカンが1キロ500円、やっすう! この時期助かる。ということで思わず買ってしまいました。
商店街を歩いていると、シャッターの閉じた店頭でやっている「出し巻きやさん」がありました。60年に亘って営業されています。現在では店頭で出し巻きだけを販売されています。
昔ながらの「卵焼き器」を使って、丁寧に何回も巻いていきます。店主によると、「美味しく焼くコツは、余分なものを一切入れないこと」と言います。食べてみると、これがまた、京風でふんわりしているが、柔らかすぎない、ホットケーキのような食感です。手巻きでこれほどの味が出せることに驚かされました。
大晦日などは、「うちの出し巻でないとと言って、毎年芸能人なども訪れ、行列になりますよ」と店主。シャッターが閉まっていて分からないので、店名を聞くと「まあ、記事にしてもいいけど、老夫婦二人でやってるから、手が回らなくなるしなあ。店名はええわあ」と笑顔で答えてくださいました。