Yahoo!ニュース

【京都市西京区】松尾で愛されて25年 一色産のブランドうなぎに江戸前がんこ職人の匠の技が光る!

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

阪急上桂駅から西へ物集女街道に出て少し下がったあたりにあって、予約が取れないほど人気の「本格江戸前炭火焼 うなぎ いっせい」に2024年11月20日(水)にやっと行くことができました。西山ガールことpanyaharruさんに案内していただきました。

店舗はテナントビルの2Fになりますが、1Fの看板には、「本日はご予約のお客様にて閉店まで満席となっております。尚、お持ち帰り分につきましてもご予約分にて完売いたしましたのであしからず……」の張り紙が貼ってあります。さすが地元で有名な人気店です。平日の昼間になんと凄いことでしょう。

harruさんが予約しておいてくださったおかげで、その日10食限定の鰻が1匹半丸々使われた「特鰻重御膳」を食べることができました。最初にスタッフさんが丁寧にメニューを説明してくださいます。明朗会計で国産ウナギなのに値段もリーズナブル。うな重に吸い物か赤だし、うざく、うまき、鯉の洗いが付いてきます。他にちりめん山椒鰻白焼なども人気です。

待っている間にもうなぎを焼く香ばしい香りが漂ってきて食欲をそそります。早速食べてみると、うなぎは持ち上げるだけでほろほろと零れ落ちるほどのやわらかさで、しかし江戸前独特のパリッ感がある、甘過ぎず辛すぎない絶妙のたれが染み込んだあったかごはんと絡めて食べると「絶対美味い奴」でした。harruさんも「通りがかりに来てみたいと思っていた店にやっと来れて、期待通りほんとに美味しくて嬉し過ぎます」と絶賛でした。

女将の岡尾千波さんに伺うと、縁あって直送される愛知県一色産のブランド鰻を備長炭にてじっくり焼き上げていくのだそう。手開きで捌いて串打ち、それから素焼きして、さらに、江戸前なので蒸しを入れるのですが、うなぎによっては、形も硬さも一匹一匹違うので、職人の店主、岡尾一成さんが実際にさわって感触を確かめ、まさに職人の匠の技でOKとなった時点でたれをつけて、さらに本焼きにするのだとか。

岡尾さんご夫婦が千波さんの地元のこの場所で開業したのが25年前でした。一成さんは若いころから40になるまで、嵐山で有名な老舗の江戸前鰻の名店で修業の後に独立して開業。しかし、「開業当初が一番大変で、黒字になって道がつくまでは3年かかった。明日が見えなくて何度やめようと思った事か」と当時を振り返ります。

少しずつ地域の人たちにも知られ、雑誌やSNSでも取り上げられて若いお客さんやインバウンドの人たちも遠くから来店するようになっていきます。コロナ禍も地元の人たちに「店にはいけないけど」と言って、テイクアウトで救ってもらったのだそう。千波さんは「地元の方たちはありがたいです。だからこそ、食材の値が上がってほんとは大変なんですけど、ローカル値で頑張っているんですよ」と話します。

アジア圏の人たちはうなぎが大好き、ヨーロッパの人たちも最近の日本食ブームで訪れ、日本の鰻に感動するのだそう。仕込みをし出すと片時も離れられないので、写真は千波さんだけとなりましたが、岡尾さん夫婦は、「伝統の技をがんこに守りながらこの場所でできる限り店を続けたい」と語って下さいました。

松尾大社や鈴虫寺、苔寺、浄住寺、地蔵院などに来られた際は立ち寄ってみてはいかがですか!

「本格江戸前炭火焼 うなぎ いっせい」京都市西京区松尾木ノ曽町59 075-383-6500

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

HOTSUUの最近の記事