地元民が通う店がいつしか天神や博多駅の大行列店に変貌〈国内観光・インバウンド客に人気の博多ラーメン〉
2003年に福岡市中央区天神に1号店(現在の天神本店)となる「博多らーめんShinShin」を開業。ちょうど一風堂や一蘭が台頭し全国へ進出しはじめた時代。そんな中、極細麺と濃厚な豚骨ベースではあるものの鶏ガラも使った、まろやかで甘みのあるトロミスープで、他の豚骨ラーメン店とは一線を画す存在感を発揮し人気店への階段を駆け上がり始める。そんなShin-Shinが2号店として「住吉店」を開業したのが2007年。夜は、焼き鳥や屋台仕込みの一品料理を提供するお店だったことから、この頃は特に地元民として頻繁に利用するようになっていた。
天神や警固の有名屋台が基の礎に
店主は博多の有名屋台複数店で経験を積む。その発想から生まれた屋台感覚で楽しめる、お酒を飲みながらの焼き鳥や一品料理をいただきつつ最後にシメのラーメンが啜れるという一軒で最初から最後までひと通り味わえるというお店。そんなイメージが「住吉店」にはあり、行列もさほどなく地元民としてはとても利用しやすかった。その後は2013年に「博多デイトス店」、2016年に「KITTE博多店」、2019年には北九州市小倉北区の「アミュプラザ小倉店」、2021年には福岡市中央区天神の「福岡パルコ店」と拡大展開する中、残念ながら「住吉店」を閉じた後、今年に入ってから住吉店の代わり、新たに福岡市博多区古門戸に「古門戸店」を夕方からの営業店として開業。
今回は、夕方近くに博多駅方面に用事があり〈Shin-Shin KITTE博多店〉に久しぶりの訪問。KITTE博多の地下1階にある飲食街内に「KITTE博多店」があり、遠目から覗くと待ち客は3人ほど。それならばと久しぶりに食べてみようと思った次第。
博多駅周辺には2店舗あり、どちらもお昼時は長蛇の列ができる行列店として有名(「博多デイトスの博多めん街道」内の「Shin-Shin 博多デイトス店」と今回訪問した「Shin-Shin KITTE博多店」)。
並んでいる間にメニュー表を渡され「おしながき」を眺めながら、ラーメンではなく「Shin-Shin」のメニューの中で一番好きな「博多皿うどん」や「博多ちゃんぽん」にしようかと少しだけ悩みつつ、待つこと10分ほどでようやく店内のカウンター席中央あたりへ案内される。着席と同時に注文したのは、やはり初志貫徹で一番人気の「煮玉子ラーメン」を久しぶりに。
待つことしばし。配膳された一杯は、豚骨ベースのスープは濃厚そうに見えてあっさりやさしい印象。しっかりとしたコクと旨みが口の中に広がる。豚骨の臭みは一切なくどちらかと言えば鶏白湯のような甘みを含んだ味わいがたまらない。合わせる麺は、福岡市内でも最細の部類に上げられる特徴を備えスープとの絡みも抜群にいい。そんなラーメンの個性を改めて実感しつつ、今回、観光客に混じってその列に並んでみてたり、店内を眺めてみて客観的に思ったことは圧倒的に女性客が多いということ。濃厚ながら甘めでやさしい味わいと臭みを感じない一杯が、多くの方(特に女性)に支持されているのも頷ける。
近年は、福岡出身の有名なタレントさんをはじめ芸能界の方がよく行くお店というイメージが強い。だけど 本来は、福岡・博多の地元民が楽しめるお酒や一品料理を取り揃えている昔ながらの屋台的なお店。お昼なら、個人的にはやはり「博多皿うどん」と「博多ちゃんぽん」も間違いない逸品でおすすめなので、ぜひご賞味ください。
博多らーめん Shin-Shin KITTE博多店
住所 :福岡県福岡市博多区博多駅中央街9-1 KITTE博多B1F
[地図]
営業時間:11時00分~23時00分
定休日 :無休 ※要確認
駐車場 :専用駐車場なし