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『逃げ上手の若君』『マケイン』…2024年夏アニメの「聖地」 #専門家のまとめ

河嶌太郎ジャーナリスト(アニメ聖地巡礼・地方創生・エンタメ)
『逃げ上手の若君』の舞台となっている、長野県茅野市の諏訪大社上社前宮(筆者撮影)

 2024年7月から放送中の「夏アニメ」。70作品以上が放送されており、中には「聖地巡礼」としても人気がある作品もあります。中には、既に自治体や企業などとコラボが始まっている作品もあります。新たに「聖地」として注目が集まっている作品と舞台地についてまとめました。

ココがポイント

▼『逃げ上手の若君』…鎌倉末期の北条時行を主人公にしたジャンプ作品。鎌倉市や諏訪大社などの神社仏閣などが舞台に。

『逃げ上手の若君』聖地巡礼! 北条時行が過ごした諏訪大社ゆかり「守屋山」絶景の山頂まで2時間半「ハイキングレポ」(BRAVO MOUNTAIN)

▼『負けヒロインが多すぎる』…愛知県豊橋市舞台の、恋に破れた女子高生達を描いた作品。市だけでなくJR東海とのコラボも展開中。

アニメ「マケイン」PR 愛知・豊橋の各所に装飾(東愛知新聞)

▼『菜なれ花なれ』…群馬県高崎市、沼田市、前橋市などが舞台の作品。ロケ地マップの配布も開始。

群馬舞台の本格アニメ「菜なれ花なれ」放送開始で〝聖地巡礼〟に期待 ロケ地マップ製作も(産経ニュース)

エキスパートの補足・見解

 『逃げ上手の若君』は、鎌倉時代末期の最後の徳宗・北条高時の息子の北条時行を主人公にした作品です。鎌倉市内や、身を隠していた諏訪大社上社前宮が舞台として登場しており、ファンによる舞台探訪の動きが見られます。

 『負けヒロインが多すぎる』は、愛知県豊橋市出身のラノベ作家・雨森たきびによる小説作品が原作のアニメで、豊橋市内が舞台として登場しています。「聖地巡礼」マップが公開されているだけでなく、市の公用車が痛車仕様になっていたり、JR東海の「推し旅」キャンペーンでの活用も進んでいたりします。

 『菜なれ花なれ』はこれまで数々の「聖地」作品を作り出してきたピーエーワークス制作のオリジナルアニメです。群馬県内各地だけでなく、主人公の高校は高崎高校がモデルになっています。今後の盛り上がりに期待が集まりそうです。

ジャーナリスト(アニメ聖地巡礼・地方創生・エンタメ)

1984年生まれ。千葉県市川市出身。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。「聖地巡礼」と呼ばれる、アニメなどメディアコンテンツを用いた地域振興事例の研究に携わる。近年は「withnews」「AERA dot.」「週刊朝日」「ITmedia」「特選街Web」「乗りものニュース」「アニメ!アニメ!」などウェブ・雑誌で執筆。共著に「コンテンツツーリズム研究」(福村出版)など。コンテンツビジネスから地域振興、アニメ・ゲームなどのポップカルチャー、IT、鉄道など幅広いテーマを扱う。

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