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ソーシャルサポート、支え合いの心理学:「情けは人の為ならず」

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
写真はイメージ:人は互いに支え合うようにできている(写真:アフロ)

■人は支え合う

ヒトという生き物は、集団で生活し、助け合うようにできています。私たちは、栄養や空気と同様に、支え合うことを必要とします。支え合いが、私たちの健康を守り、寿命さえも伸ばします。

■ソーシャルサポート

社会心理学では、人々からの支えを「ソーシャルサポート」と呼んでいます。生活保護も、警察官が守ってくれることも、家族友人知人からの助けも、全てソーシャルサポートです。

ソーシャルサポートを日本語にすると「社会的支援」ですが、日本語で「社会的」というと、政治とか行政とか大きなものをイメージしますが、「ソーシャル」とは大きな意味の「社会」だけではなく、人と人の関係全てを指します。

ソーシャルダンスは、「社会的ダンス」ではなく、社交ダンスと翻訳して、二人で踊るダンスですね。

ソーシャルサポートも、いわゆる社会からの支援も個人からの助けも、全てを含んでいます。

たとえばアニメ「ちびまる子ちゃん」に登場するおじいちゃんの友蔵さんは、金持ちではありませんが、ゆったりと幸せそうに生活しています。

おじいちゃんには、年金が入ります(これは公的なソーシャルサポートです)。年金が入ると孫のまる子に寿司を御馳走したりしています。生活に必要な衣食住は、おそらく息子夫婦に頼っているでしょう。息子の嫁も、しっかり者です。もしも病気などのアクシデントがあれば、息子夫婦も孫も助けてくれるでしょう。

もしも大地震などが起きたら、きっと仲良しの町の人々も助けてくれるでしょう。友蔵さんは、世の中の人々の善意を信じているように見えます。

ソーシャルサポートは、実際のお金や支援だけでなく、安心感を与えることで、心と体の健康につながります。

生活全般で豊かなソーシャルサポートがあると良いわけですが、さらに自分が通う学校や、会社内などにソーシャルサポートがあれば、毎日気持ち良く通学通勤ができるでしょう。

■ソーシャルサポートの種類:道具的・情報的・情緒的・評価的サポート

○道具的サポート

お金とか、ヘルパーさんが来てくれるなど、実際に助けてもらえるのが、道具的サポートです。

○情報的サポート

問題解決に必要な知識や情報を伝えます。

○情緒的サポート

慰めや、励ましの言葉。その人の話を黙って聞いてあげる。一緒に泣いたり怒ったりするなど。

○評価的サポート

学校や職場で、正しく評価されることもソーシャルサポートです。

■本当のソーシャルサポートとは

侮辱され、投げつけられるお金は、ソーシャルサポートにはなりません。

ソーシャルサポートをあらためて学問的に定義すると、ソーシャルサポートとは、

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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