阪神タイガース 1年目を終えた5選手による『新人研修会』《12/16》
まず最初に『アジア・ウインター・ベースボール・リーグ』の結果を書いておきます。16日はアマチュア台湾代表チームと対戦した日本は、阪神・陽川選手が2号2ランを含む3打点を挙げるなど6対4で勝ち、引き分けを挟んで4連勝!ガッチリと首位をキープしました。日本のチーム打率はまた上がって.316、チーム防御率(3.11)、チーム守備率(.969)も、すべてリーグトップです。
《2015 亞州冬季棒球聯盟》
12月16日 州際
日本(NPB)-台湾アマ(CTBA)
台ア 000 000 004 = 4
日本 000 030 03X = 6
◆本塁打 神:陽川2号2ラン
◆二塁打 中:高橋、ソ:真砂2、巨:岡本
(以上、日本のみ)
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]中:真砂 (ソ) (5-1-2 / 0-1 / 0 / 0)
2]右:上林 (ソ) (4-1-0 / 0-3 / 0 / 0)
3]二:山下 (デ) (6-4-2 / 1-1 / 0 / 0)
4]指:岡本 (巨) (6-2-0 / 1-0 / 0 / 1)
5]遊:陽川 (神) (6-4-2 / 0-0 / 0 / 1)
6]三:高橋 (中) (5-2-1 / 1-0 / 0 / 0)
7]一:和田 (巨) (5-2-5 / 0-0 / 0 / 0)
〃右:原 (ヤ) (1-1-0 / 0-0 / 1 / 0)
8]捕:山川 (ヤ) (4-1-0 / 1-2 / 0 / 0)
〃捕:張本 (ソ) (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
9]左:横田 (神) (3-0-1 / 3-3 / 0 / 0)
〃左:友永 (中) (1-1-0 / 0-0 / 1 / 0)
◆投手 (打-振-球/失点-自責/暴投)
ヤ:児山 6回 84球 (5-1-3 / 0-0 / 0)
中:浜田 2回 29球 (0-0-1 / 0-0 / 0)
中:岸本 1回 46球 (5-1-1 / 4-4 / 0)
0-0の5回、日本は横田が内野安打と盗塁で無死二塁として真砂の二塁打で生還!2死後に岡本がタイムリー二塁打、続く陽川の左タイムリーで3点を先取しました。7回は上林の内野安打と相手エラーなどで1死三塁となり、岡本がタイムリー。さらに陽川の2ラン(センターバックスリーンを直撃したそうな)で、6対0とリードを広げます。9回に3人目の岸本が4点を失ったものの、結果的には7回の2ランが効いて逃げ切り!という得点経過でした。
陽川選手は打率.380、横田選手が打率.319です。チームトップは巨人・岡本選手で.408。それでもリーグ4位タイなんですねぇ。岡本選手は安打数がリーグ1位タイの20、打点は単独1位の16となっています。盗塁はソフトバンク・真砂選手の12がリーグダントツで、2位に5つも差をつけました。そして塁打数は阪神・陽川選手が35となり、リーグ単独トップ!2位と4差です。
なおMVPには、先発して6回無失点のヤクルト・児山投手が選ばれました。リーグ戦はきょう17日の韓国戦が最後で、18日からはプレーオフ、20日が優勝決定戦&3位決定戦となります。このまま全部勝ちっ放しで、チャンピオンとして帰ってきてもらいましょう!
新人研修会
さて、きのう16日は西宮市内のホテルで阪神タイガースの新人研修会が行われました。年明けに入寮する新人ではなく、1年目のシーズンを終えたばかりの選手(ドラフト指名順に横山投手、石崎投手、江越選手、守屋投手、植田選手)です。前年のこの時期にウインターリーグへ行っていて参加できなかった選手が1年遅れで出席したこともあったんですが、ことしは5人だけ。
会場内は、話をしてくださる方が前に座り、それと向かい合わせる形の長テーブルに2人づつ座って、植田選手だけが後ろという配置です。5人が一列に並ぶと横長になるなら、前3人と後ろ2人にすれば?と思った私…。まあいろいろと都合や事情もあるのでしょうね。みんなテーブルに筆記用具を置き臨戦態勢、という開会直前に写真を撮らせていただきました。
研修会は14時から17時半まで。休憩を除いても3時間近い“講義”です。まず四藤球団社長の訓辞があり、そのあとは順不動で、警察の方が『安全運転、注意すべきプライベートでの交際』など。営業担当からは『ファンサービス、肖像権について』、球団広報による『マスコミ対応』、またアサヒビールの方が『お酒とのつきあい方』を指南されました。そして今回は、片岡1軍打撃コーチが『プロ野球選手心得』を説いています。
やるべきことはまずケガの完治
研修会が終わり、横山投手と江越選手が代表で囲み取材に応じてくれました。どんな研修会だったかを聞かれた横山投手は「すべてを通じて、まず野球選手である前に人として当たり前のこと。不祥事とかがある中、僕らが置かれている立場を考えて行動しなくてはいけないということですね」。具体的には?「片岡さんの話で、自分が置かれている立場は変えられない。だからこそ野球選手になった以上は今やれることをしっかりやるようにと言われて、その通りだなと思いました」
印象に残ったのも?「そうですね、片岡さんが、“変えられない”という言葉を何度も何度も繰り返されて、野球に直結する内容でもあったので一番残っています」。そういう話を聞いて、横山投手は「置かれている立場としては今季の1軍登板が数試合でしたし、成績に変えられない。だからやるしかないと。来年に向けてやるだけだと思った」そうです。
自分の中でやるべきこととは?「具体的にはまだ。ケガもしていますし出遅れた感じはあるので、その中でできることでうすね。(春季)キャンプまでにしっかり整理をしていきたい。今はまずケガを治すことと、やれることをやるだけです」
秋季キャンプで痛め『第5中足骨骨折』と診断された右足は11月24日に大阪府内の病院で手術を受けて、現在は鳴尾浜でリハビリ中。「順調にいっていると思います!」と答えた横山投手ですが、外でのキャッチボール再開については「その目安はまだ、トレーナーと相談したうえで」という答えでした。
現状に満足せず、もっと上を!
続いて江越選手です。全体を振り返っての感想は「すべてにおいて、自分がプロ野球選手として自覚をもつことが大事だと思いました」というもの。「(プロ野球選手というのは)他とは違って注目される職業だから、問題が起きたら大きく取り上げられると教えられたんでです。自覚があれば、それなりの行動が取れると思うので。自覚っていうのは一番大事だと思った」とのこと。
片岡コーチの話は?「片岡さんから、自分自身の挫折とか経験談を聞きました。自分がそうなってからしか気づけない。そうなる前に気づきなさい、と」。難しいことでもあるんでしょうね。そして「自分もゆっくりしている場合じゃないと思います。次が入ってくるので。現状に満足せず、もっともっと上に!という気持ちになりました」と、2年目の来季にもう向かっています。
「3年で結果を出さないと厳しいと言われた。あと2年あると思うのではなく、来年しっかり結果を出すという気持ちでやりたい」と力を込めました。また河内広報からは例年通り、ファンサービスについての“講義”があって、江越選手は「自分たちじゃファンの皆さんに支えられて野球ができている。マスコミを通じて、ファンの方に思いを伝えていけるようにという話をしていただいた」と言っていました。
ルーキーシーズンが終わった選手が参加して、毎年12月に行われる『新人研修会』。こういう会社で、こういう人たちが仕事をしてくださって、僕たちは野球をやれているんだと、改めて実感する選手も多いですね。もちろんファンの方々の支えなしでは成り立たないのがプロ野球チームです。阪神タイガースにおける自分の使命をもう一度認識し、それに応えるため全力を尽くす2年目であることを祈っています。