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【上越市】祝15周年振り返り!上越で讃岐うどんといえばココ、季節商品も続々スタート!

かどまる珈琲と緩いものを愛すWebライター(上越市)

雁木が並ぶ地域に住むライターのかどまるです。
突然ですが皆さん、上越で初めて讃岐うどんをお店で食べた時のことを覚えていますか?
今でこそ全国チェーン店があるおかげで知っていて当たり前の讃岐うどんとそのシステム。
ですが上越の場合はなんと、讃岐から遠く離れたこの地で個人のお店が讃岐うどん専門店として全国チェーンと切磋琢磨していました。

お店の名前は皆さんご存知、「讃岐うどん房 鶴越」さん。
今年で15周年を迎える、上越が誇るうどんが美味しいお店ですね。
最初は昭和町の民家を改装したお店から始まり、高田本町商店街のイレブンプラザへ場所を移してからも老若男女問わず様々な世代のお客さんから愛されている、地域自慢のお店です。

今回はオーナーの小川さんに15年間の振り返りのお話を伺いつつ、秋メニューのご紹介も兼ねてお伝えします。

あっという間の15年!オーナーさんと振り返り

本場から遠い上越で味わえる本格讃岐うどん、これって凄いことだったのでは?

かどまるが移住してきたのはおよそ13年前。当時、職場の昼休みか何かで「うどん食べに行きませんか?」と誘ってもらったのが鶴越さんを知るきっかけになりました。よく考えてみれば地元の味でもない讃岐うどんの個人店が香川県から遠く離れた上越に根付いて人気であること、これって凄いことではないですか?

鶴越のオーナーさん(以下オーナー)
「ですね、でもうちが開業する直前まで上越のかに池のほうに讃岐うどんのチェーン店があったんですよ。そこで讃岐うどんの特徴というか、システムを覚えた人が一定数いたんです。そのお店が無くなってすぐ後にうちが開業したので、そこのスタッフがお店をオープンさせたという思い込みで来店された人もいたんですよ(笑)」

かどまる
「そんなこともあったのですね。でもうどんの麺そのものもそうですが、出汁も讃岐の味だから更に凄いと思いました!こちらの人は関東風というか、しっかり濃い醤油味が好きなはずなのに」

オーナー
「やっぱりこの辺りの人はそうだったと思います。というかうどんそのものを食べる理由が違っていました。消化がいいから、お年寄りや小さな子供が食べるものというか、風邪をひいたらうどん、みたいな。食事としての目的が元々違っていたんですよ。
中にはこっちの好みに合わせたほうが…という意見もありましたが、自分で勉強して作って食べて美味しかったのが讃岐のスタイルだったので、変えようとはしませんでした」


なるほど、蕎麦処でありうどん(麦切)文化圏の山形県で育ったかどまるは元々の受け入れが早かったですが、そうではない文化で育ったのならうどんは今のような感覚で食べるものでは無かったのかもしれません。出汁の味付けだったら尚更ですね。

移転後の試行錯誤とコロナ禍で考え方が変わった

オーナー
「それで2013年に昭和町のお店からここの本町通りの便利なほうに引っ越ししてきたんですが、駐車場もありますし、入口もわかりやすくなった半面、客層が今までと全く違ったのでいろいろと大変だったんです」

つまり以前は『ちょっと変わった店』でお客さんにとっては非日常感もあったのでしょう。
便利で良かれと思ったことが案外そうではなかったりと、試行錯誤の毎日だったそう。

オーナー
「それでも数年頑張った後にコロナ禍が来て。うちみたいなお店はどうなるだろうなって思いました。でも周辺を見渡した時に、うちがお客さんを受け入れられる状態だったら少数でも受け入れようって思ったんです。食事をする場所が無くて困っている人もいましたし、臨時休業は致し方ないこととはいえ一度様子を見に来た人がお店がやってないことがわかると、二度目に確認しに来ることはあっても三度目はありませんでした」

皆さんも記憶にまだ新しい、一番閑散とした時期のことですね。
あの時、都合で外出したかどまるも世界中で時間が止まってしまったかのように感じました。

オーナー
「天婦羅を揚げるにしても、できるスタッフを育てるのは時間がかかることです。なのでその時期もなるべくうちに来て仕事をしてもらうように努めました。いつかコロナ禍が明けて日常が戻ってきたときに、仕事ができるスタッフがいなくなった状態ではお店は回りません。でも今となってはそれでよかったのだと思いました」

でも、当時を振り返るとあの時に様々と考え方も変わったそう。

オーナーさん
「お店の入口に胡蝶蘭があったでしょう?あれ、常連のお客さんが先日『15周年おめでとう!』って持ってきてくれたんです。こちらはすっかり忘れていたんです、毎日必死だったので15年やっているという感覚がありませんでした。
うちはコロナ禍の時も常連のお客さんに救われていたんです。大変な時期でしたが、同時に仕事に対する考え方が変わった時期でした。ただうどんを提供する、数をこなすというのではなく、ちゃんとお客さんの顔がわかる仕事をしたいなと思うようになりました」

鶴越さんは2号店としてキッチンカーでイベント等へ移動しピザの販売も行っています。
「お客さんの顔がわかる仕事」はそのキッチンカーのほうでも同じなのだそう。

オーナーさん
「ただ人が多いところに行って売り上げを作るのではなくて、『あそこのピザは美味しい』とわかって来てくれるお客さんをもっと大事にしたいなと思ったんです。定期的に出店しているあるホテルの前では長期出張の会社員の方がよく来てくれるようになりました。出張の期間を終えて会社に戻り、引継いだ後任の方もうちに足を運んでくれたりとか(笑)ありがたいなあと思います」

広告っぽくない、読み物として面白い鶴越さんの会員向けDM

ご存知の方も多いかと思いますが、鶴越さんには会員制度というものがあります。
普通こういった会員にはSNS等で広告やセールスのDMが送られてくるものが一般的。
しかし、鶴越さんのDMはひと味違って広告らしくない。
あっても「帰りたくなったら終わり」のような緩いスタンスのイベントの開催についての案内だったりします。
他の内容もうどんに関係あるものもありますが、間接的というかちょっと違う内容になっています。しかもアナログな紙媒体で時代と逆行しているところが興味深い。
でも何故?

オーナーさん
「そうなんですよ、お客さんとか生産者さんの顔がわかる仕事をしようと思った時にじゃあどうしたら、と考えたのですが開業して15年経ったら1周回ってアナログに戻ってきました。
普通はもっと販売を前面に広告を打ち出すんでしょうけど、うちはあまり載せません。紙の読み物にすることで思い出してもらって、都合がいい時に読んで欲しいなと思ったんです」

これで謎が解けました!
DMというより、ピザの移動販売で店を空ける時間が多いオーナーさんのお客さんとのコミュニケーションツールだったのですね。読み込んでいるうちにお店に行きたくなってきます。

オーナーさん
「やりたいことはいろいろあるんですよ。ピザもそうですが以前作っていたうどん入りパンも復活させたいですし、小麦を使ったいろんな商品を今後作っていけたらと思っています。自分の目と手が届く範囲は狭いですが、動き出したいなと考えています」

以前、朝市でも販売していたパンのことですね!もっちもちでかどまるも大好きでした。
まだ具体的な話ではありませんが、次の時代の鶴越さんの夢、是非応援したいと思います。
貴重なお話、ありがとうございました!

みんな大好き鶴越のうどん!旬の秋刀魚天婦羅にアレの天婦羅も?

すっかりうどんが食べたくなったかどまる、実は季節商品もスタートしているのです。

満席だ!流石お子様からお年寄りまでみんなに愛される鶴越さんです。
家族連れや友人同士で店内もお店の外も賑やかでした。

鶴越さんは自動販売機での先払い方式。先に千円札を用意しておくのがお勧めです。
通常のメニュー以外のものも沢山ありますが、暖かいものはピンク、冷たいものは青表示されています。
今回は鶴越さんのInstagramで紹介されていた、秋刀魚の天ぷらがのった冷たいうどん『秋刀魚天ぶっかけ』と『出汁玉ねぎ天』にしました。
実は今年初物の秋刀魚。楽しみです!
天婦羅の種類が多いことも讃岐うどんの醍醐味ですが、うどん屋さんで秋刀魚の天婦羅、珍しいですね。


券売機のレシートに番号が書いてあるので、スタッフさんに呼ばれるまでしばらく外で待機。しかし本当にいろんなお客さんが沢山来店してるなあ!改めて鶴越さんの人気の高さに驚きます。

テーブルは全席横並びのカウンター式。きっと本場もそういうお店が多いのかな。
座席数は15~16ほど、家族連れでいっぱいでした。
でも皆さん美味しそうにうどんをすすっているところを眺めていると、こっちもお裾分けされたような気分になってきます。

しばらく待っていると…
「お待たせしました~!」と、秋刀魚天のぶっかけが到着。
おお、丼ぎりぎりの秋刀魚、美味しそう!

つやつやの麺に大根おろし、生姜、レモン。
オクラと主役の秋刀魚の天婦羅がどんとのった、シンプルなビジュアル。

ご覧ください、麺の光り輝く様子!
香川県の地産の小麦粉『さぬきの夢」を使った、鶴越さん自慢の麺です。
ちなみに「さぬきの夢」という小麦粉の名前を覚えたのも鶴越さんがきっかけでした。
もっちりどころではない、ぎゅっと凝縮された弾力と旨味たっぷりの麺に驚いたものです。
そして佐渡海洋深層水が麺のグミグミした食感を出すのに貢献しています。

出汁玉ねぎ天も到着しました!揚げたてあつあつのうちにいただきます。

なるほど、美味しく煮込んだ玉ねぎをゴロンと揚げてあるのですね。
衣はさっくりとしており、中までしっかり味が染みついた玉ねぎの甘さ!
じゅわっとお出汁と玉ねぎの甘さが口の中で広がります。
玉ねぎの天婦羅が好きな方には是非、試して欲しい!

秋刀魚の天婦羅が冷めないうちにこちらも。1年ぶりの秋刀魚、半身丸ごと揚げてあるなんて贅沢ですね。うーん、美味しい!何といってもこの食べ応え!
そのまま食べても美味しいですが、ぶっかけの出汁にくぐらせたり、大根おろしや生姜をのせてみたり、こんなことができるのもこの大きさならではのお楽しみ。
口の中にようやく、秋が来たようです。
秋刀魚の天婦羅ぶっかけは冷たいおうどんなのですが、それがまた口の中をさっぱりとさせてくれるので、他の天婦羅追も加しておけばよかったと思うのでした…。

鶴越さんの自慢のうどんも美味しいうちにいただかないと。
箸でつまんだ瞬間にうどんのもっちり感が伝わってきます。ひと口すすれば、まるで跳ね返ってくるかのようなしっかりとしたコシの強さ。これこれ!これが鶴越さんのうどんです。
噛むごとに麺の旨味がギュッと増して、もうひと口、更にひと口と箸が止まらなくなってきます。やがて口の中は麺の美味しさでいっぱいに。
これが鶴越さん自慢のうどんの醍醐味、「ああ、美味しかった!」と思わず口に出てしまいそうになるのはかどまるだけではないはずです。

これは麺の量は並ではなくて、大でも食べられるな…

外が寒くなってくると温かいうどんが食べたくなりますが、この大きな秋刀魚の天婦羅付きといい、薬味たっぷりでまだまだ冷やしのぶっかけが美味しい季節。
「今年、まだ秋刀魚食べてないよ!」という方はどうぞお試しください。
オーナーさん、今日も大変美味しかったです。
ご馳走様でした!

大満足の秋刀魚天のぶっかけでした!
大満足の秋刀魚天のぶっかけでした!

もうすぐ冬の定番メニューも登場か?会員向け企画ゆるっと開催、更にお店貸し切って家族向けの忘年会プランも!

オーナーさんが、お客様から「始めましたか?」と問い合わせが増えている具たっぷりのなべ焼きうどんはこれから、おそらくこの記事が出るころにはもう始まりそうな雰囲気です。

そしてSAKEまつりの後、鶴越さんの会員「つるもぐ倶楽部」ではお店の前で輪ゴム射撃大会やたこ焼きパーティなど企画中。入会すると前述したように鶴越さんの予定表や思わず読み込んでしまうニュースレターが届きます。美味しいうどんが更に美味しくなるこの機会に、興味がある方はどうぞスタッフさんへお声がけくださいね。

つるもぐ倶楽部会員向けイベント ポットラックパーティ Vol.2

開催日:2023年10月22日(日)
開催時間:18:00~流れ解散
内容:秘伝レシピのたこ焼きパーティ、輪ゴム銃の射撃大会など
会場:讃岐うどん房鶴越(イレブンプラザ)
お問合せ:讃岐うどん房鶴越 025-512-6111
*つるもぐ倶楽部は入会無料です。参加希望の方はご入会ください。

ちなみに今年はお店を貸し切ることができる「家族向け忘年会プラン」がお勧めだそう。
「うどんならお子さんもお年寄りの方も食べられますし、他のお客さんに気兼ねなくうどんを楽しむことができます。料理は6品、デザート付きで讃岐うどん作りを体験することもできますよ」と、店長さん。これは嬉しいサービスですね!何といっても、オーナーさんが作るうどんは勿論ですが他のお料理も美味しいことをかどまるは知っているのです…。

15年目に突入しても、益々目が離せない『讃岐うどん房 鶴越』さん。
会員になるのは無料なのでこの機会に是非ご入会もお勧めですよ!
お友達や家族、もちろんお一人でも、誰と食べても美味しい鶴越さんのうどん。
上越に根付いた讃岐うどんの味、15年の歴史ごと味わいにお越しください。

讃岐うどん房 鶴越
住所 上越市本町4丁目4-8(イレブンプラザ内)
電話 025-512-6111
定休日 毎週月曜夜、火曜、第一水曜日
営業時間 11:00~14:00 / 18:00~20:00 
*ラストオーダーは15分前
駐車場はイレブンプラザの駐車場をご利用ください。
(飲食された方に90分無料駐車券を差し上げます)
最新情報は鶴越さんホームページInstagramでもご確認いただけます。

珈琲と緩いものを愛すWebライター(上越市)

角(かど)は丸くやわやわと。上越の雁木がある地区に移住して10年、美味しい&楽しい情報をご紹介します。

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