iPhone 16 買取価格が高騰「定価」上回る機種も
9月20日、アップルのiPhone 16シリーズが発売され、盛り上がりを見せています。
昨年に比べて需要の弱さが指摘される中で、業者による買取価格はさっそく高騰しているようです。
人気は「Pro Max」か 買取価格が高騰
新型iPhoneの需要について、Proシリーズについては昨年の需要を下回っているとのアナリスト予想が報じられ、アップルの株価が下落する場面もありました。
しかし発売直後の時点では、さすがに需要が供給を上回ったようです。業者による買取価格はアップルの直販価格と同じか、それを上回る水準に高騰しています。
SNS上では、さまざまな業者が競い合うように買取価格のリストを投稿しています。こちらは、その中のある業者による9月20日16時ごろの買取価格です。
全体的な傾向として、主力モデルであるiPhone 16/iPhone 16 Plusシリーズについては、アップル直販価格と同じか、やや安い程度に収まっています。
それに対して、ProシリーズであるiPhone 16 Pro/iPhone 16 Pro Maxについては、すべてのモデルがアップル直販価格を上回っていることが分かります。
特に高額のオファーとなっているのがiPhone 16 Pro Maxでストレージ容量が最も小さい256GBのモデルです。買取価格は30万円で、アップル直販価格より5万200円高くなっています。
買取価格がここまで高くなるなら、発売直後にiPhoneを買ってそのまま下取りに出すだけで儲かることになります。アップル側は同時に注文できる台数を制限するなどの対策に追われているようです。
買取価格が高騰する要因の1つが供給量です。2022年のiPhone 14 Proシリーズは生産体制の問題により、買取価格が直販価格を大幅に上回る時期が続きましたが、現在ではそうした問題は改善されています。
今後の動向を占う上で1つの指標になるのが、アップルストアにおける配送日の変化です。予約開始直後、iPhone 16 Pro Maxの配送日は「10月24日」の週まで伸びる場面がありました。
その後、配送日は「10月10日」まで縮まり、供給の改善(あるいは需要の弱さ)を示唆する場面もありましたが、9月20日の発売日時点では「10月16日」となっています。
昨年のように配送日が「11月」にずれ込む事態にはなっておらず、供給が増えれば買取価格も落ち着いてくると考えられますが、当面の間は入手困難が続くとみられます。
買い取られたiPhoneはどこへ?
このように買取業者がアップルの直販価格よりも高くiPhoneを買い取る理由の1つとして、海外に販売するチャネルの存在が指摘されています。
日本のiPhoneは世界的に見ても安く設定されているとの調査があるように、海外から外貨で換算してみると、日本のiPhoneが「安く」見えていると考えられます。
一方、アップルは為替レートが1ドル=160円を超える円安になった場面でも日本での価格を値上げしなかったことから、激安ともいえる状況が生まれていました。
日本の消費者がiPhoneを「安く」買えるのは嬉しい点ではあるものの、本来アップルが得られるはずだった利益の一部が業者に流れているようにも見えます。
iPhone 16についてもアップルは価格を据え置きにしたことで、世界的な価格差の裁定を目的とした取引が増え、在庫不足に拍車をかけているのではないかと気になるところです。