季節外れの台風28号、初冬としては14年ぶりの沖縄接近も?
週明けに沖縄の南海上へ
きょう午前9時現在、台風28号は、中心気圧955hPa、最大風速40メートル、最大瞬間風速60メートルの強い勢力で、フィリピンの東海上を北上中です。
今後はいったん西寄りに進んだ後、再び北上し、予報円の真ん中を通ると、来週の火曜日から水曜日頃に、沖縄県の南大東島の南へ近付く予想です。その後は衰弱しながらも東寄りに進み、父島など小笠原諸島を指向する予想です。
来週木曜日の予報円の直径は約1600キロもあり、北寄りに進むと西日本の南岸にかなり近付くようなイメージもありますが、今回予報円が大きくなっているのは、南北方向へのズレというよりは東西方向へのズレが大きくなる可能性を秘めた予報円と言え、速度を上げれば、木曜日には小笠原の東へ抜けているという様にとらえた方がいいでしょう。
ですから本州付近へ近付く可能性はほとんどないと思われます。
初冬に沖縄地方へ台風が接近すれば14年ぶり
台風が上陸したかどうかにかかわらず、台風の中心がそれぞれの地域のいずれかの気象官署等から300km以内に入った場合をその地域に接近した台風と言います。
沖縄地方への接近台風をみると、統計開始以来、11月には27個、12月には2個あり、11月以降の接近数は29個(67年間中)で、平均すれば2年に1個程度は接近していることになります。ですから11月以降、沖縄に台風が接近することは決して珍しいことではありません。
ところがどういうわけか、2004年12月4日の台風27号の接近を最後にパタリとなくなり、昨年までの13年間で1個も接近していない状況となっています。
もし今回の台風28号が沖縄へ接近した場合は、近年では非常に珍しく、今の時期(初冬)としては14年ぶりの接近台風ということになります。
また小笠原諸島へ接近すれば、同じく初冬としては2015年11月27日の台風26号以来3年ぶりのこととなります。
ちなみに14年前、師走早々、沖縄に接近した台風27号ではあまりにも特徴的な気象現象がもたらされました。
2004年、師走に接近した台風27号
2004年の台風27号は、11月29日9時にフィリピンの東で発生し、発達しながら西進した後、フィリピンを横切り、南シナ海で転向し、12月4日に台湾南部から沖縄の八重山地方に接近した所で、温帯低気圧に変わりました。
そしてこの台風からの暖かな空気が北からの寒気と衝突し、新たに発生した低気圧が急激に発達する、いわゆる爆弾低気圧として本州付近を通過したため、各地で暴風や大雨、大雪、暴風雪など、大荒れの天気となりました。
晩秋~初冬の台風は、たとえ本州付近へ近付かなくとも、このような気象現象をもたらすことがあるため、注意を要します。