ひとり旅で失敗しない!「ソロ温泉」の目的地を選ぶ7つの視点
夏は旅の季節。ひとりでの温泉旅(=ソロ温泉)を計画している人もいるのではないだろうか。だが、ここで多くの人が迷うのは「どの温泉地を選ぶか」である。
そもそもソロ温泉と、誰かといっしょに出かける温泉旅行では目的が異なる。
友人や家族といっしょの温泉旅行では「団らん」「観光」「レジャー」「贅沢」などがキーワードとなる。ひと言でいえば「動」の旅だ。
一方、ソロ温泉は「空白の時間」「充電」「リフレッシュ」「内省」などがキーワード。「静」の旅である。
通常の温泉旅行とはまったくベクトルの異なるソロ温泉だからこそ、適した温泉地とそうでない温泉地がある。今回はソロ温泉だからこそ訪ねたい温泉地の共通点を7つのポイントにまとめてお伝えしよう。
①観光地化されすぎていない
観光地化された温泉地は、当然ながら家族や友人との旅行者に人気で、いつ訪ねてもにぎやかである。熱海や箱根、有馬、別府、由布院などのメジャーな温泉地をイメージするといいだろう。もちろん、そうした温泉地にも魅力はたくさんあるが、ソロ温泉には少々向かない。
ひとりで「空白の時間」を満喫するには、マイナーで観光客が少ない静かな温泉地が向いている。「わざわざ日帰りで訪ねるような場所ではないが、古くから湯治場として細々と続いてきたような温泉地」がソロ温泉には適している。
②湯量が豊富
ソロ温泉の主役は、やはり温泉入浴そのものである。だからこそ、温泉の質にはこだわりたい。
最も重要なのは鮮度である。新鮮な湯ほど気持ちよく、効能も高い。湯の鮮度を左右するのは湯量だ。豊富に湧き出している温泉地ほど、贅沢に源泉をかけ流すことができる。古くから湯治場として栄えてきたような温泉地は、総じて湯量も豊富である。
③共同浴場がある
「いい温泉地には、いい共同浴場がある」。これは、温泉好きなら納得してもらえるであろう「温泉の法則」のひとつである。共同浴場が健在ということは、地元の人が温泉を大事にしている証しでもある。その結果、源泉の質も高くなる傾向がある。
温泉地選びで迷ったら、評判のよい共同浴場のあるいで湯を選ぶといいだろう。ひとりで共同浴場をふらっと訪ねて、地元の人と交流するのもソロ温泉の愉しみのひとつである。
④自然を感じられる環境
都市部にあるにぎやかな温泉地よりも、山や川、湖など自然豊かな環境のほうが、自分や湯とひとり向き合うには向いている。
日常生活を離れ、いつもと違う環境に身を置くと、五感が刺激され、呼吸や消化などを司る自律神経が正常化し、心身が元気になったり、リラックス効果が得られるといわれる。これを「転地効果」というが、自然豊かな環境ほど、この転地効果を期待できる。
自然に囲まれていると、ひとりでも孤独を感じず、癒される気持ちになるから不思議だ。
⑤歴史や情緒がある
歴史を重ねてきた温泉地は、古くから一定のエリアに温泉街が形成され、その街並みも木造の建物が軒を連ねるなど風情があるものだ。せっかく温泉地に出かけるなら、そのような「非日常」を感じさせるような場所がふさわしい。
湯浴みの合間にふらっと散策に出られるのも、こうした温泉地のメリットである。寺社を参拝したり、田舎の風景に癒されたり、お土産さんや飲食店に立ち寄ったりするのも、非日常感を味わう上でのエッセンスとなる。
⑥アクセスが少し不便
友人や家族との温泉旅行の場合、現地へのアクセスはよいほうが便利だろう。観光やグルメを楽しむには、効率よく時間を使う必要があるからだ。
だが、ソロ温泉の場合はひとりなので、移動もマイペースでかまわない。たとえば新幹線を使わず、時間が許す限りローカル線を使ってゆっくりと車窓の景色を愉しむのもオツである。チェックインの時間までに温泉宿に到着すれば問題ない。
観光客でにぎわう温泉地は、たいていアクセスがすぐれている。少しアクセスが悪いくらいの温泉地のほうが、人も少なく、ひとりの時間を静かに過ごすには最適である。
⑦部屋食のプランがある
多くの人がひとり旅のハードルとして挙げるのが、ぼっち飯問題である。ひとり旅に慣れていないと、ひとりでとる食事は孤独を感じるものであるようだ。
孤独を感じる一番の原因は周囲の目を気にしてしまうことだろう。案外、他人は気にしていないものだが、まわりの家族やグループが楽しそうに食事していると、本人は気になってしまうようだ。
そういう人は、部屋食で食事がとれる宿やプランを選ぶといいだろう。まわりの目がなければ、孤独は感じにくいものである。