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先発でもリリーフでも「4イニング以上をパーフェクト」はこの投手が初。1登板目と428登板目

宇根夏樹ベースボール・ライター
マックス・シャーザー(ニューヨーク・メッツ)Sep 19, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月19日、故障者リストから復帰したマックス・シャーザー(ニューヨーク・メッツ)は、6イニングを投げ、対戦した打者18人を全員アウトに仕留めた。半数の9人から、三振を奪った。

 スタッツ・バイ・スタッツは、こうツイートしている――マックス・シャーザーは、2008年4月29日のMLBデビューで、リリーフとして4.1イニングを投げ、パーフェクトに抑えた。今夜、彼はメッツの先発投手として、6.0のパーフェクト・イニングを記録した。彼は、キャリアにおいて、先発としてもリリーフとしても4.0イニング以上のパーフェクトを記録した、モダン・エラでは唯一人の投手だ。

 モダン・エラは、1900年あるいは1901年以降を指す。こう区切った場合、その前の時代に記録している投手が存在するか、その前の時代については不明であるかのどちらかだ。おそらく、この件は後者だろう。また、4イニングを投げ終えた時点ではパーフェクトでも、その後も投げ続け、どこかでパーフェクトが途切れた登板は含まない、ということだ。

 シャーザーは、2008年4月29日の試合で、アリゾナ・ダイヤモンドバックスの2番手として、4点リードされた3回表の2死二塁からマウンドに上がり、13人続けて討ち取った。当時は23歳、現在は38歳。9月19日は、428試合目の登板だった。

 2008年の16登板は、リリーフ1→先発3→リリーフ8→先発4ながら、翌年以降は、レギュラーシーズンで投げた412登板のいずれも、先発マウンドに上がっている。

 なお、シャーザーは、2015年に2度、ノーヒッターを達成している。この2登板は、どちらも、パーフェクト(完全試合)に近かった。6月20日は、パーフェクトまであと1人のところで与死球。それについては、「シャーザーがノーヒッターを達成。1安打完封に続いてあわや完全試合とくれば、次の登板は……。」で書いた。10月3日は、6回裏の先頭打者が三塁手の悪送球で生きただけで、あとの27人はアウトにした。

 9月19日の試合は、史上初の継投パーフェクトにはならなかった。シャーザーに代わって登板したタイラー・メギルが、最初の打者に二塁打を打たれた。だが、メッツは7対2で勝利を収め、シャーザーは200勝目を挙げた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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